
※前年度情報を掲載中
化学
2022年度入試の問題分析
全日程とも大問数は4題で、おおむね理論分野より2題、無機・理論融合、有機分野よりそれぞれ1題ずつという構成の出題になっている。理論分野はやや難レベル、無機分野は基本レベル、有機分野は標準レベルの問題が出題されている。問題数を見ていくと、全体の50%以上が理論分野から出題されており、幅広い分野からの出題で、分量の多い計算問題も含まれている。また、難度の高い問題も含まれるが、合否に大きな影響はないであろう。そのような問題にはまることのないよう、時間配分には十分に注意したい。
2023年度入試対策・学習アドバイス
理論分野はやや難レベル
理論分野の難易度は2021年度入試でやや難化し、2022年度も引き続きやや難レベルの問題中心で構成されている。全体の50%以上を占め、出題比率が高いこの分野の出来が合否を大きく左右する。標準レベルの問題をしっかり得点につなげたい。教科書傍用の問題集で構わないので、応用問題まで含めて、一通りしっかりと練習を積んでおきたい。2022年度は「凝固点降下」「気体」「溶解度積」からの出題が見られた。苦手としている(手薄になっている)受験生が多い分野なので、本番までにはきっちり習得しておくこと。計算量の多い問題や高難度の問題も含まれているので、このような問題に時間をかけすぎることのないように注意すること。また、マークシート方式なので、計算ミスをしないように、細心の注意を払うこと。
無機分野は基本レベルが中心!
無機分野は基本的な問題がほとんどなので、確実に得点したい。教科書に書かれている物質名とその性質、化学反応式はしっかり覚えておくこと。特に金属イオンの沈殿は頻出!知識の有無だけで出来不出来が決まるので、万全の準備をして本番に臨もう。教科書傍用の問題集の基本問題をしっかり練習していれば、十分対処できるはず。
有機分野は標準レベル!
2022年度は2021年度同様、標準レベルの問題が中心であった。2022年度の特徴として、抗生物質、唐辛子の成分、殺虫剤など一見すると難しそうに見えるが、教科書レベルの知識で解答可能な問題が目立った。ただ、2020年度までは有機分野で高難度の問題が出題されていたので十分な対策はしておきたい。ただ、このレベルの問題の出来は合否に大きな影響は与えないので、割り切った解答をしてほしい。標準レベルの問題を得点できるかが勝負どころである。また、2021年度同様、2022年度も高分子分野からの出題は少なかった。対策としては、まずは教科書を隅々までよく読み、学校や予備校の授業では詳しく扱わなかった項目も含めて、代表的な物質名とその性質や用途をしっかり覚えておくこと。現役生は有機分野(特に高分子)が手薄になりがちなので、本番までにきっちりと手をつけられるような、バランスの取れた学習計画を立てておくこと。教科書傍用問題集を応用問題まで含めて、1冊仕上げておきたい。
過去問を解いておくこと
過去問を解き、解答順序や時間配分などを決めておくとよい。取れる問題と捨てる問題を見極める眼を養っておきたい。また、全体的に出題形式が共通テストに類似している。共通テスト(センター試験)の過去問や模試を解くこともよい練習になる。