
※前年度情報を掲載中
現代文
2022年度入試の問題分析
2022年度も、日本語日本文学科を除く各学部・学科においては、「国語」の問題は「現代文」のみの出題であった。日本語日本文学科においても、B日程で受験する場合には、現代文の大問だけを選択することが可能だ。試験日程や志望学部・学科により、大問2題を解く場合と、大問3題を解く場合があるが、いずれにせよ私立大学入試の標準に照らして、試験時間は十分確保されている。
問題文の分量には幅があるが、約3,500~5,000字程度。私立大学の入試問題文として、標準よりやや多いといった程度だ。内容については、2022年度も人間や人間社会について学問的に考察した評論文が出題されている。設問数もほぼ2021年度と同じで、大問1題につき7~10問であった。漢字の読み書き、傍線部の内容・理由説明、空欄補充、本文からの抜き出し問題などが出題されている。また、A日程では「30字以内」や「70字以内」などの記述問題も出題されている。
全般的な難易度は私立大学入試の標準レベルだが、論述問題が出題される場合もあるので、事前の対策が必要だ。
2023年度入試対策・学習アドバイス
評論文の読解力を高めよう
大問1題につき3,500~5,000字程度の問題文が出題されることが多いので、日頃からまとまった分量の評論文を読み、筆者の主張を正しく理解する練習を積んでおくことが大切だ。読解力養成の第一歩としては、評論文に頻出する抽象的な意味の語句に関する知識を充実させておくことが有効である。入試現代文の重要語集などを利用し、効率よく知識を吸収しておきたい。そして、段落ごとに重要ポイントを正確に把握しながら、丁寧に論旨をたどっていく練習をしよう。普段から、教科書や問題集などの問題文を読む際に、段落ごとの重要箇所に線を引きながら論旨の流れを掴む練習をしよう。また、「対比」や「因果」、「具体例とまとめ」などの論理構造を意識的に読み取れるようにしておきたい。例年、人間や社会をテーマとする様々な文章が出題されているので、今人間が直面しているいろいろな問題にも関心を持ち、新聞やニュースの特集番組などを通して、現代社会に関する知識をある程度は身につけておくことも有効だろう。
論述力を身につけよう
例年、何らかのかたちで論述問題が出題されている。受験日程によっては、自分で文章を書く必要のない設問だけのこともあるが、解答をまとめにくい論述問題が出題される場合もある。そうした場合にも制限字数に応じて解答できるように、様々な字数で解答を書く練習をしておこう。記述問題を多く含んだ私立大学用の標準的問題集を利用するのがよいだろう。論述問題の解答を書くためには、まず設問で問われていることと、傍線部のポイントを的確に把握し、本文から解答作成のために必要な箇所を見つけ出すことが大切だ。解答をまとめる段階で必要になるのは「要約力」である。設問を解くだけでなく、可能ならば問題文の要約練習もしておくとよいだろう。テキストや問題集の問題文を元の分量の10分の1程度でまとめる練習をしよう。全文要約の負担が大きいなら、ひとつの段落を10分の1程度の字数にまとめる練習でもよいだろう。そして、できれば信頼できる第三者に読んでもらい、内容や表現をチェックしてもらうとよい。