ゼミ研究室紹介
掲載している内容は、2021年10月時点のものです
理工学部 電子情報工学科
梅比良・奥村・藤井研究室(電気電子工学)
梅比良・奥村・藤井研究室の1枚!

研究室の学生たちの前に置いてあるものは何ですか?
学生たちが自分で部品を買って組み立てたスピーカーと真空管アンプです。
研究室の全員がつくるんですか?
はい、3年次に研究室に配属されたら、全員につくってもらいます。「モノづくり」を体験することは、電気電子工学を研究するうえで重要な意味があると考えているからです。
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とっつきにくい学問を学ぶ動機づけに
鉱石ラジオの自作から始まる研究活動
研究室の方針
理論を学ぶ前にまずはモノづくりの体験から
梅比良・奥村・藤井研究室は、梅比良正弘先生、奥村康行先生、藤井勝之先生の3人で指導にあたっている。そのなかのひとりである藤井先生は、「大学の格調高い講義にあまりテンションが上がらなかった」と自身の学生時代を振り返る。そのために研究室では、「理論を学ぶ前に、まずはモノづくりの体験から」を実践している。
「見えない物理現象を数式で表現するため、解法の習得には地道な訓練が必要です。しかし解法を習得しても、必ずしもモノがつくれるわけではありません。研究室では、電気電子工学の面白さを最初に体感してもらいます」(藤井先生)
学生たちは3年次で研究室に配属されると、電池を使わずに聞ける「鉱石ラジオ」から始まり、スピーカー、アンプ、アマチュア無線用アンテナ、アマチュア無線機を自作する。これらに用いる部品は、学生が名古屋市大須(注:電子部品を販売する店が数多くある地域)に出かけ、自ら買い集める。
「学生たちにつくってもらう機器には、電気電子工学の理論が詰まっています。実際にモノをつくり、うまくいけば、『どうして音が出るのか』と興味が出できますし、うまくいかなければ何が原因かを考えることになります。自作した機器がどういう状態にあるのかは理論で説明できますから、おのずと理論を学ぶことになります。例えば交流回路の理論を先に習っても、何にどう使われるのかがわからなければ、興味を持つことは難しいでしょう。しかし、実際にモノをつくって、『ここにこの理論が使われているのか』ということがわかれば、理解は進むし、『もっと深く知りたい』という気持ちも湧くはずです」と、藤井先生はモノづくりにこだわる理由を説明する。
研究室での活動
学部3・4年次から積極的に学会で発表
2020年には同大学理工学研究科の学生が研究発表を行い、
IEEE※ Sendai Young Professionals Affinity Group Awardや
日本バスケットボール学会オーラル賞などを受賞している
※米国に本部を置く電気・情報工学分野に関する
世界最大規模の学会
研究室では毎年、学生が自作したスピーカーやアンプのプレゼンコンテストを行っている。学内の「フラッテンホール」(定員500名)で実施し、学生の投票で順位を決める。ほかにも自作のアンテナとアマチュア無線機によるコンテストも開催。アマチュア無線の愛好者が相手と交信した証明として交換する「QSLカード」を、多く集めた人が優勝だ。
3年次はこうしたモノづくりをしながら、卒業研究のテーマを決める。4年次から始める卒業研究のテーマは、「学生が取り組みたいことに取り組む」がモットーだ。「電気電子、情報通信であれば何でも構わない」のは、電磁波やアンテナを専門とする藤井先生、情報ネットワークの奥村先生、そしてモバイル通信や衛星通信などのワイヤレス通信・システム分野で豊富な実績を積んだ梅比良先生という3人が指導する研究室だからこそである。
もうひとつ、研究室の大きな特長は、院生はもちろんだが、学部の3・4年次であっても、電気電子、情報通信関連の学会や国際会議で発表をすること。発表した学会で表彰される学生も多い。プレゼンコンテストや学会発表の機会は、就職活動での面接時の自己アピールの訓練の場にもなっている。研究室の卒業生・修了生が自動車・情報通信・エネルギー関連をはじめとする著名企業に就職しているのが、その証といえるだろう。
学生の声
枠組みにとらわれない研究で
自己の成長を実感しています
大学院 理工学研究科
博士前期2年 H.H.さん
*学年・インタビューは取材時のもの
研究室では、「VRを用いたバスケットボールの個人練習用機器の作製」に取り組んでいます。バスケットボールの競技経験から、ひとりでも効果的な練習ができたらという思いと、何よりも過去にこのような製品がなかったことが、このテーマを選んだ理由です。
梅比良・奥村・藤井研究室は頑張った人が報われる場所です。学部3年次のスピーカー・アンプの作製コンテストなどで、努力をすればするだけ、学会発表の機会や良い成果が得られます。
総合大学の南山大学ならではの強みとして、学部の垣根を越えた先生方との共同研究も挙げられます。「日本バスケットボール学会第7回学会大会」で賞を受賞できたのも、大学のバスケットボール部顧問の先生から共同研究のお誘いを受けたことがきっかけでした。同じ研究室のなかには、国際教養学部の先生とエチオピアの発電システムの開発プロジェクトに携わっている学生もいます。枠組みにとらわれない研究ができることが何よりも魅力です。
千葉県出身。千葉大学工学部電気電子工学科卒業後、同大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。2006年、南山大学に着任。学生時代はヘヴィ・メタルバンドでギターを担当。「エレキギターのピックアップが音を拾う原理は『ファラデーの電磁誘導の法則』によるもの。電気電子工学の様々な理論がエレキギターには生かされていますので、ギターの実演を交えながら講義をしています」と話す。
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