<入試科目の掲載について>
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私立

きょうとさんぎょう

京都産業大学

京都産業大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2022年6月時点のものです(取材は2021年6月)

情報理工学部
棟方渚研究室(人間と人工物との持続的なインタラクション)

棟方渚研究室の1枚!

ここはどこですか?

学内にある実験住宅「三Home(くすぃーほーむ)」です。

そこで、何をしているのですか?

日常生活におけるロボットの「適切なふるまい」について研究をしています。

人間と人工物のインタラクションを持続させるための第一歩を、好奇心を持って

研究テーマ

人間理解から始まる
人とロボットの良い関係

本格仕様の実験住宅に“住んでいる”
小型ヒューマノイドロボット「NAO」

「人に興味があります」と話す棟方渚先生が研究の目的に据えているのは人間理解。日常生活のなかで生じる“気付き”から、人間理解を深める研究に昇華させている。テーマの軸になっているのは「人間と人工物との持続的なインタラクション」。ゲームやロボットといった人工物に対して、人はどのように“慣れ”たり、“飽き”たりするのかに着目し、研究を進めている。

例えば、家庭内ロボットがどのような振る舞いをすれば、人はずっと一緒に居たいと思うだろうか。人間同士の場合は無意識に互いに“空気を読む”ことができるが、ロボットは空気を読めない。共に暮らす家族に対し、「今は集中しているようだから静かにしておこう」とか「寂しそうにしているから話しかけてみよう」とロボットが判断を行って自律的に行動できるようにするには、何らかの方法で人間の状態を測り、理解する必要がある。

まず考えられるのは、人間のジェスチャーや表情をカメラで確認し、心拍数や発汗などの微妙な変化から心理状態を判断すること。しかし、ロボットに搭載されているカメラやセンサ、マイクの性能だけでは十分な対応は難しい。そこで活躍するのがIoT技術だ。様々なセンサやスマートフォン、腕に着けているスマートウォッチなどから読み取った詳細な行動ログや生体情報と、ロボットが連携してインタラクションを行う研究を進めている。

研究室の学び

ロボットのいる暮らしを
実験住宅のなかで究明する

キャンパス内には、スマートホームやロボットの研究をするための実験住宅「三Home(くすぃーほーむ)」が造られている。本物の住居レベルの設備に加え、壁や天井、床には大量のセンサやディスプレイ機器類が埋め込まれている実験施設だ。ロボットを日常に溶け込ませるため、暮らしの圏内での探究が行われている。

「ある学生は、購入した家庭用ロボットの箱を始めて開けた時、ロボットが最初にどんな振る舞いをとるべきなのか?という研究をしています」。そのロボットがたどたどしく動き、転んでしまうアクションをとったと仮定する。「よちよちしていて愛らしい」と思ってくれる人がいる一方、「デキが悪い」とがっかりする機能重視の人もいるだろう。この“がっかり”を引き起こす「期待と実際のギャップ」をなくすために必要な要件を考えるのも、人とロボットのインタラクション研究のひとつだ。

研究の応用

好奇心を大切に
暮らしをより良く

棟方先生は、人間の精神的変化を示す手のひらの発汗にも注目。てんかん治療に応用するユニークな研究も行っている。「発汗は自律神経系で生じるもので、てんかんの発作は脳の中枢神経系で生じるもの。患者が自在に発汗をコントロールできれば、脳の中枢神経系の活動が抑えられ、発作を抑制できると考えました。そこで発汗トレーニング用のゲームを開発し、患者さんに取り組んでいただいています」。被験者の多くが発作の回数減少を実感しており、今後も複数の大学と共同で研究を進める予定だ。

研究室では、自由な発想で、幅広い探究を行っている。ベースにあるのは“好奇心”だ。「なぜ多くの人がロボットに愛着を持てないのだろう、なぜてんかんの発作は抑えられないのだろう、という疑問の答えを純粋に追い求める。だから研究が楽しいのです」。今後も既成概念にとらわれない研究で、何でもない日常をより良くしていきたいと考えている。

研究室紹介

総研究室数 30

河合由起子研究室
情報空間と実空間から得られるWebやSNSデータ、地図やセンサデータなどのビックデータを時空間と意味空間より分析し可視化することで、多様な環境での人々の行動や体調、気分や意図、潜在意識の解明をめざしています。Webのエキスパートになりたい、AIを極めたい、アプリをつくって動かしてみたいといった学生と共にデータ分析の最先端研究に取り組んでいます。
玉田春昭研究室
ソフトウェアを違法な攻撃から保護するため、クラックを無効化する難読化技術やソフトウェアの盗用をいち早く見つけるバースマーク技術、盗まれたことを証明する電子透かし技術を提案・検証しています。
平井重行研究室
センサやディスプレイを用いた近未来のスマートハウスをつくり、日常生活の諸問題の解決や、新たな生活スタイルの提案を行っています。また、関連するインタラクション技術の研究開発も進めています。
指導教員 棟方 渚 准教授

公立はこだて未来大学大学院・博士後期課程、システム情報科学研究科システム情報科学専攻修了。日本学術振興会特別研究員、札幌市立大学デザイン学部コンテンツデザインコース助手、北海道大学大学院情報科学研究科特任助教を経て、2017年より京都産業大学コンピュータ理工学部准教授、2018年より同大学情報理工学部准教授に着任。趣味はドストエフスキーやトルストイなどのロシア文学を読むこと。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 京都産業大学 入学センター
Tel 075-705-1437

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