<入試科目の掲載について>
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公立

とうきょうとりつ

東京都立大学

東京都立大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2020年6月時点のものです

システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科
燃焼・推進工学研究室(航空宇宙工学)

低コストで安全な小型ロケットの実現をめざし
ハイブリッドロケットエンジンの開発に挑む

研究テーマ

爆発しにくく低コストなプラスチック燃料ロケット

ハイブリッドロケットエンジンが燃焼する様子。
迫力は凄まじく、炎の温度は2000℃以上を超え
非常にまぶしく、音も激しい

櫻井毅司先生が率いる燃焼・推進工学研究室は、次世代ロケットエンジンやマイクロガスタービンなどの研究開発を手がけている。現在注力しているのが、低コストな小型ロケットのエンジンだ。高性能な数㎏サイズの超小型衛星を、高度200~400㎞の低軌道に打ち上げるためのもので、JAXA との共同研究に取り組んでいる。

「私たちが開発しているのは、プラスチックと液体酸素を燃料に使うハイブリッドロケットエンジンです。ポリプロピレンやポリエチレンといった安価で入手が容易なプラスチックの固体燃料を、酸化剤である液体酸素で燃焼させます。プラスチック燃料は従来の燃料に比べて非常に低コストであるだけでなく、爆発事故を起こしにくく安全性が高いというメリットがあります。超小型衛星を手軽に低コストで、しかも安全に打ち上げる小型ロケットのエンジンとして期待されています。また、無重力や宇宙空間を体験する小型有人宇宙機への応用も計画されています」と櫻井先生は説明する。

研究施設

キャンパス内に設置されたロケット燃焼実験施設

燃焼工学推進工学を研究の中心に据えるこの研究室では、ハイブリッドロケットエンジンで、プラスチック燃料を効率的に燃焼させる仕組みの開発に取り組んでいる。

「プラスチック燃料は安全性が高い反面、大きな推力を得るのが難しい。そこで酸化剤の液体酸素をスパイラル状に還流させ、燃焼効率を高める工夫に挑んでいます」

その研究開発にあたり、大きなアドバンテージとなっているのが、日野キャンパス内に設置されたロケットエンジンの燃焼実験施設の存在だ。

「エンジン開発には欠かせない設備ですが、日本の大学の研究室で、構内にこの施設を備えている例はあまりありません。日常的にロケットエンジンの燃焼実験ができることは代えがたい利点ですし、実験に携わる学生のモチベーションにもつながっています。実際、目の前でロケットが轟音をたて燃焼するのを見るのは、迫力がありおもしろいですよ」と話す櫻井先生は、航空宇宙分野がもつ大きな可能性にも触れてくれた。

航空宇宙工学は、例えば近い将来、宇宙旅行の実現という夢にもつながる研究です。そういった夢の実現に志を抱くような学生に、ぜひ来ていただきたいですね」

研究の進め方

ハイブリッドロケットのプラスチック燃料。ちくわのような円筒の形で利用する。

エンジン内でスパイラル状に燃焼している様子。実際の色は特殊なカメラのため青く映っている。

先輩と後輩の数名でチームとして実験の準備作業を行う。作業漏れがないようにお互いに確認し合いながら一つひとつ作業を進めていく。

指導教員 櫻井 毅司 准教授

埼玉大学大学院理工学研究科生産科学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。2006年より首都大学東京システムデザイン学部助教、2013年より首都大学東京システムデザイン学部准教授、2020年より現職。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京都立大学 アドミッション・センター(入試課)
Tel 042-677-1111
E-mail admission-tmu@jmj.tmu.ac.jp

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