<入試科目の掲載について>
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私立

とうきょうこうか

東京工科大学

東京工科大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2020年6月時点のものです

工学部 電気電子工学科
ハイパワーシステム研究室(電力システム工学/高電圧大電流工学/エネルギー工学)

未来型風力発電システム開発に
AIを用いることで効率化を図る

研究テーマ

風車ブレードの設計にAIを適用させる技術開発

持続可能な電気・電子技術を追究

次代の電力システムや電力ネットワーク研究の開発に関わる幅広い研究を行っているのが、新海健先生のハイパワーシステム研究室だ。「AIを用いた未来型風力発電システムの研究において、風車のブレード(羽)の設計にAIを活用する技術を開発しています」

これは設計したブレードの発電効率をコンピュータ計算で導く際、流体シミュレーションで作成したデータをAIに読み込ませることで、計算作業を大幅に効率化し、開発期間の短縮をめざしている。

現在、機械学習やディープラーニング(深層学習)といったAIが実際に活用されている分野には、ゲームや画像認識、ロボット分野が挙げられる。こうした研究以外にも、何かAIを活用できる工学分野はないか、成果を出せないか、ということからテーマ探しが始まった。「風力発電システムの開発にAIを使うことを決めたのは、工学部が追究するサステイナブル工学(持続可能な社会を実現する実学)として風力発電がわかりやすい象徴的なテーマであったことと、総合工学だったことが挙げられます」

AIに読ませる流体シミュレーション

いろいろな工学的要素が入った総合工学。風力発電を例にすると、材料の開発研究では化学分野、風車を強風に耐えるような構造にするための機械分野、送電のために電力を扱う電気技術も必要になってくる。その他にも風速を測定するセンシングや通信技術、環境への影響や安全性といった環境アセスメントも関わってくる。

未来型風力発電システムの開発にあたり、当研究室では風車のブレードの設計にAIを用い、試作工程をシンプルかつ時短できないかと模索している。従来は、風洞という人工的に小さな風の流れを発生させる装置のなかに縮小型の風車を置き、どういう羽の形状であれば発電効率が高いかを実験してきたが、AIに読ませる大量のデータを流体シミュレーションでつくり、AIに入れてみたところ手ごたえが感じられた。「このまま機械学習を続けていけば、より早くなるのではないかと思っています。また、シミュレーションでつくったデータをAIに学習させ、どういう形状のブレードが良さそうだということが決まれば、3Dプリンターで縮小モデルをつくれるので、簡単に試作開発することができます。実際、研究室では水平型や垂直型の風車を3Dプリンターでつくり、今度、屋外に設置して発電の実験を行う予定です」

今後の展望

研究成果を様々な分野で生かすことが目標

こうした技術はブレードに限らず、ほかの機械部品や、電気電子部品や回路にも応用できる。「最終的にはビルに設置できるような小型の風力発電システムをつくることを目標に進めています。その過程で得られる各研究の成果を様々なところで展開していければと思っています」。インフラなどの老朽化に対する故障予知や新しい化学材料の開発手法、工業製品の分類のひとつであるインテグラル型の部品設計の試作開発など、未来型風力発電の開発で得られた研究成果を幅広い分野で生かすことができる。「こうした電気電子工学の魅力を感じて欲しいですね」と新海先生は語ってくれた。

研究室紹介

総研究室数 29

陸海空移動ロボティクス研究室
陸海空を問わず社会に役立つ多彩なロボットがテーマ。防災、レスキュー、インフラ整備や原発対応ロボット、超高齢化社会を支える医療・福祉、農業や各種サービスロボットの研究開発に取り組む。地震探査やワーム型のロボットなども開発。
サステイナブルマネジメント研究室
ライフサイクル思考に基づき、工業製品を環境負荷、機能・性能、経済的価値などから総合的に評価して、持続可能性の向上を促進する設計プロセスを確立。概念設計、実体設計、詳細設計の各段階で設計者を支援する技術について研究を進めている。
センシング技術活用研究室
「測る」ことで人や機械は事象を正確・客観的に把握できる。時代に適した、総合的なセンサーの活用を実現できる人材を育成し、センサーおよびその周辺の電気・電子回路、通信およびデータ処理について追究。
エネルギー応用研究室
電気を必要とされるエネルギー形態に変換するため、低損失で無駄のない電気・電子回路の創出をめざす。電気エネルギーを効率よく使い、有効活用することでサステイナブル社会に貢献するのが研究の目的だ。
高分子・光機能材料学研究室
光と高分子の相互作用を活用して様々な機能が発現する材料の開発と、そのプロセスの解明に取り組む。光エネルギーを直接動きに変える材料は省エネルギーロボットや人工生命体への応用が期待される。
指導教員 新海 健 教授

早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。株式会社東芝を経て2015年より現職。博士(工学、東京大学)。その他の研究テーマ、HVDC(高電圧直流送電)、スマートグリッド、熱プラズマスイッチング、過酷環境ワイヤレス給電。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京工科大学 広報課
Tel 0120-444-903
E-mail pr@stf.teu.ac.jp

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