<入試科目の掲載について>
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私立

とうきょうこうか

東京工科大学

東京工科大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2022年8月時点のものです

デザイン学部 工業デザイン専攻 工業ものづくりデザインコース
工業デザイン専攻B研究室(酒井正教授 知育遊具・玩具デザイン)

工業デザイン専攻B研究室の1枚!

これは子ども向けの遊び道具ですか?

私がデザインした知育玩具で『つむまる』と名付けました。積み上げたり組み合わせたり、自由な発想で遊ぶことができます。

かなり大きなサイズの遊び道具ですね。

子どもが安全に遊べるように、プールにあるビート板などで使われるポリエチレンフォームという素材を使用していますが、大きいサイズにしているのには理由があるのです。

子どもの創造力を育む“知育遊具”を創造し、
ポジティブな方向性のプロダクトデザインを提唱する

研究テーマ

子どもが身体を使って自由に遊びを創造する

知育遊具の最初の作品となった
『これなに、これなに』

酒井正研究室では、様々な素材を使った立体造形やプロダクト製作に取り組んでいる。そのなかで酒井正先生は、現在、子どもの発育に寄与する知育玩具の分野に力を入れている。

「子どもが成長する過程で“遊び”は非常に大きな役割を持ちます。子どもが遊びのなかで、その方法や仕組みを考えて、楽しい時間の作り方を発見していくということが重要で、受け身にならないクリエィティブな発想は、アナログな遊びのなかで育てられるものが多いと感じています。だからこそ知育玩具に力を入れています」と話す酒井先生は、これまでにあまり例のない大型の知育玩具を創造し、それに“知育遊具”と名付けている。従来の知育玩具は机上のサイズが多く、手先で遊ぶものが主流だったのに対し、「もっと全身を使って肉体的に疲れる遊びの方が、子どもの満足感が高いと考えました」との発想から、『これなに、これなに』という知育遊具を創造。直感的におもしろさを感じる造形に加え、子どもの体格で手ごたえや満足感が生まれるサイズや重さを考慮したデザインとなっている。素材は安全性を考慮してビート板に使われるポリエチレンフォームを採用している。愛知県岡崎市にある『おかざき世界こども美術博物館』で行われた、デザインと遊びをテーマにした展覧会に出品し、実際に遊んだ子どもたちからも上々の反応を得たという。

カラーパイプを組み合わせて簡単に造れる
『アウトドア・オブジェ』

これをさらにシンプルな方向性で発展させた作品が、冒頭で紹介した『つむまる』だ。同じ形で連続性があるので、組み合わせたり積み上げたりする自由度が高く、より創造性の高い遊びにつながることが期待できる。「目のように見える穴が2つあります。それぞれ穴の場所や間隔の違いでいろいろな表情が生まれるだけではなく、子どもが指をこの穴にひっかけて持ちやすいという実用性も兼ねたデザインになっています」と先生はデザインの特徴を説明する。

一方で蒲田キャンパスの近隣にある大田区の町工場とコラボした知育遊具も生み出している。パイプをつなげたサイズの異なる立方体で、『アウトドア・オブジェ』と命名。「親子いっしょにアウトドアで楽しめる知育遊具として考案しました。一番大きなサイズが一辺180cmで、パイプと角の金具をつなげて簡単に組み立てられます。屋外でのオブジェ造り体験を簡単にできるもので、空間を自由に切り取って組み合わせ、創造を楽しもうというものです」と話す酒井先生は、“知育遊具”の可能性の広がりに手ごたえを感じている。

学びの特徴

ポジティブな発想で“ことづくり”に取り組む

デザイン学部では、4年次に学生個々が自分の卒業制作の志向に合った教員に師事する制度を採用している。指導教員は、卒業制作の指導に加え就職のサポートも行う。酒井先生のもとには、玩具や遊び心のある大きな家具などを志向する学生が集っており、卒業制作に取り組んでいる。

そんな学生に対し、酒井先生はデザインの方向性についての心構えを指導している。「良いデザインには、おもしろかったり、美しかったり、楽しかったりというポジティブな要素が必要です。近年は“問題解決”というキーワードが語られますが、そこを意識しすぎるとネガティブな要素を打ち消すだけのデザインになりがちで、ポジティブな要素が欠け落ちてしまいかねません。自分が生み出すものが、使う相手に対してポジティブな提案になっているかということを考えるように、学生には伝えています」

さらに“ものづくり”はあくまでも手段で、その真の目的を意識することが大切だともいう。

「デザインした“もの”を使ってユーザーがどんな“こと”を体験できるのかが重要ですね。つまり“ものづくり”は“ことづくり”なのです。そこまで意識してデザインに取り組むように指導しています」この思考は、プロダクトデザインのみならず、様々な企画立案などにも生かせる発想であり、大学でデザインを学ぶ大きな意味がそこに込められている。

卒業生がデザインした卒業制作作品

Basket Stool
ゆらゆら揺れるフルーツバスケットのような木製スツールで、在宅ワークの人々などの姿勢改善につながるように提案した作品。揺れる椅子と頭に載せる少し重さのあるクッションを組み合わせ、背筋に意識を向け自然とバランスをとってしまう人間の習性を利用したデザインになっている。

オクリガチ。
漢字の送り仮名の学習を目的とした対戦型玩具。PCやスマホの変換機能に依存し、漢字を正しく使えない人が増えていることを踏まえた提案となっている。手持ちの駒を入れ替えることで、適切な漢字と送り仮名のペアを完成させるゲームで、子どもから大人まで楽しめる。

指導教員 酒井 正 教授

東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻課程修了、2000年より同大学非常勤講師、2003年より女子美術大学専任助手、2006年より実践女子大学専任講師、2011年より東京工科大学デザイン学部専任講師、2022年より現職。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京工科大学 広報課
Tel 0120-444-903
E-mail pr@stf.teu.ac.jp

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