<入試科目の掲載について>
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きょうとさんぎょう

京都産業大学

京都産業大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2022年6月時点のものです(取材は2021年6月)

国際関係学部 国際関係学科
井口正彦ゼミ(サステイナビリティ・ガバナンス)

井口ゼミの1枚!

井口ゼミは持続可能な開発目標(SDGs)を中心に研究活動を行われているそうですが、どういった点が特徴ですか?

SDGsは、持続可能な社会に関する意識や行動の最初のきっかけづくりとして機能している点が大きな特徴です。17の目標に具体的な内容が示されています。

ゼミでは、たとえばどのような研究活動をされているのですか?

ゼミ生それぞれの多岐にわたる研究テーマをSDGsと関連づけて調査し、相互に議論を深めていきます。上記の写真は、自分の研究テーマに関連した目標のロゴを持っている様子です。

「SDGs」をツールとして使い
多角的・鳥瞰的に国際問題を捉える

研究テーマ

「自分ごと」として捉える国際問題

「グローバル・イシュー」というと、どのようなものを思い浮かべるだろうか。国際社会は、平和と人権の実現、貧困撲滅、環境保全など、様々な問題を抱えている。実は、これらの問題はすべて経済・環境・社会の領域に関する17の目標と169のターゲットから構成されているSDGsに含まれている。

井口先生によると、SDGsは一見すると遠い世界のどこかで起きていることのように思えるが、実は自分たちの生活に密接に関わっているという。

「目標14に関連した『海洋プラスチック問題』を例にとると分かりやすいです。海に流出したプラスチックの破片が半永久的に海に漂い続け、その破片に付着した有害物質が食物連鎖を通じて人体に蓄積されることが懸念されています。しかし、そのプラスチックの元をたどれば、私達の生活から排出されるプラスチックごみに行き着くのです。このように、様々なグローバル・イシューについて自分ごととして捉えることで、どのような具体的な解決策が考えられるのか、そのためには自分たちには何ができるのか、自分たちで考え直すきっかけにすることが重要です」

研究の背景

環境問題への取り組みが
経済発展につながる

SDGsについて熱く語る井口先生。京都産業大学に着任前は、国際連合大学サステイナビリティ高等研究所に勤務し、持続可能な開発や地球環境問題の研究に取り組んできたという。なかでもSDGsの策定プロセスへのインプットを行うなど、サステイナビリティ・ガバナンスを主な研究テーマとしてきたとのことだ。

「人間の欲望は無限だが、地球の資源は有限であるというジレンマがあります。これまで環境保全よりも経済発展が最優先され、自然環境の破壊が進んできましたが、SDGsによって流れが大きく変わりつつあります。環境問題への取り組みが経済発展につながるという考え方が広まりつつあるのです。その最たる例が、コロナ禍をむしろ契機と捉え、環境を保全しながら経済成長をめざすグリーン・リカバリーといった動きです。また、持続可能な社会の構築をめざすうえでは、国や地域を越えて様々なステークホルダーが協働しあい、世界全体で問題を解決するグローバル・ガバナンスの視点が不可欠です。国家だけでなく、いかに企業やNGO、そして我々個人が有機的に連携できるのかが、今後の鍵となります」

ゼミの特徴

多角的・鳥瞰的に物事を考え、
意見を発信できる力を養う

SDGsを考えるツールとして用いて、学生時代に研究活動に取り組むことは、卒業後どのような分野での活躍をめざすにしても確かな行動指針になると話す井口先生。自らのゼミについては、次のように話してくれた。

「SDGsは、各国のリーダーが集まってつくった、いわば現時点での『望ましい世界』の縮小図です。しかし、目標を単体で見ていても理解は深まりません。SDGsをツールとして用い、多角的・鳥瞰的にグローバル・イシューを捉えることが重要です。例えば、世界各地で起きている水問題を事例にとれば、気候変動問題、紛争、飢餓と食糧問題、貧困問題、ジェンダー平等、教育格差など、様々な目標が相互に関係しあっています。このように、目標間の相関について深く考えることで、根本的なところから研究テーマを包括的に捉え直し、より深めていくことが可能となります。SDGsというグローバルな行動指針について理解を深めることで養われる問題意識や、多角的思考力は、間違いなく社会に出てからも役に立つはずです。

また、ゼミ活動の一環として、研究成果の外部発信にも力を入れています。ゼミ生全員が3年生の終わりまでに研究論文を執筆し、学内の懸賞論文へ応募をするほか、毎年、京都女子大学現代社会学部で環境政策を専門とするゼミと合同研究発表会を開催しています。2020年度は、井口ゼミの学生から『教育格差をなくすために -質の高い教育の観点から-』、『持続可能なファストファッションは可能か』といったタイトルで研究成果報告を行いました。こうした外部との研究交流を通じて、自分の実力を試しながら、大いに知的刺激を受けるなかで、自信をつけてほしいと思っています」

研究室紹介

総研究室数 17

三田貴研究室
共生社会をどう実現するか?その思考実験を行います。「太平洋の島国の望ましい観光開発は?」「アジア農村の貧困問題を改善するには?」といった世界が直面する諸問題から、学生自身が関心ある課題を選択し、その解決策を未来学の手法で探ります。成長のみを予測するのではなく、統制や転換といった複数の未来像を検討し、国際協働の可能性を探究します。
鈴井清巳研究室
世界経済をトータルかつ多面的に理解すること、グローバル経済の諸問題を政治経済学的に認識し、説明できるようになること、そしてグローバリゼーションと地域統合の交錯の中に将来の世界秩序を読み込むことができるようになることを目的にしています。地域別かテーマ別にグループを組んで調査します。報告をしながら世界経済の基礎知識と最新の動向を学んでいきます。
クロス京子研究室
平和とは単に戦争がない状態ではありません。貧困や不平等といった社会に根づく搾取的な構造や、偏見や差別など私たちの考え方や態度が、人の心や身体を傷つける暴力を生み出しています。本研究演習では、LGBTやジェンダー問題、人権侵害に対する社会的責任、地域紛争など、学生が関心のある事例を取り上げ、暴力の構造や要因を分析し、平和を実現する方法を考えます。
指導教員 井口 正彦 准教授

博士(学術)。東京工業大学研究員、国際連合大学サステイナビリティ高等研究所リサーチ・アソシエイトを経て、2015年より京都産業大学助教、2018年より同大学准教授となり現在に至る。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 京都産業大学 入学センター
Tel 075-705-1437

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