<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

こうがくいん

工学院大学

工学院大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

物理

2023年度入試の問題分析

試験時間は80分で、大問4題が出題される。日程による多少の難易度のばらつきはあるが、全体的には標準レベルの問題である。たまに、独創的で意欲的な出題もある。

大問1は小問集合で、力学・熱・波動・電気・原子の5つの分野から偏りなく出題される。簡単な数値計算の問題や、基本公式の確認の問題が大半である。2023年度はA日程の2月5日の試験で、4つまたは5つの選択肢のなかから正しいものをすべて選べという小問が2問出題された。正解の個数がわからない問題は、解きにくいだろう。

大問2は力学で、典型的な問題の出題が多いが、2023年度のS日程の1月28日の試験では、中心軸の周りで渦を巻く液体によって、支持棒につながれた小球が中心軸の周りで円運動するという変わった問題が出題された。

大問3は熱または波動分野からの出題が多いが、2023年度はA日程の2月5日・7日、S日程の1月28日の試験のいずれも波動だった。2月5日の試験では虹の分光の原理を扱っており、1月28日と2月7日の試験ではマイケルソンの干渉計を扱っていた。2月7日のマイケルソンの干渉計の問題では、ハーフミラーが2枚あり、通常とはかなり違う設定になっていた。1月28日のマイケルソンの干渉計の問題では、重力波の測定の実験の内容が盛り込まれていた。どちらもレベルの高い問題といってよいだろう。

大問4は電磁気分野から、電気分野と磁気分野が半々くらいの割合で出題される。2023年度は1月28日の試験では変圧器、2月5日の試験では交流の発生、2月7日の試験ではコイルの自己誘導が出題された。2023年度の大問4はすべて電磁誘導を扱う題材になっていた。

力学は全分野から偏りなく出題されている。熱分野では気体の状態変化と熱力学の第一法則に関した出題が中心になっている。波動分野では波の基本的な性質、気柱の共鳴、弦の振動、ドップラー効果、光の干渉など、幅広く出題されている。電磁気分野では点電荷による電場や電位といった基礎概念の確認問題や、コンデンサーを含む直流回路が多く出題されている。

原子分野に関しては、第1問の小問でしか扱われないが、光の粒子性、水素原子のスペクトル、光電効果、核分裂で解放されるエネルギー、炭素14年代測定法など、幅広く出題されている。

2023年度は1月28日の試験では、アルファ線、ベータ線の電場中での運動が、2月7日の試験ではヨウ素のベータ崩壊が出題された。

2024年度入試対策・学習アドバイス

問題の多くは標準レベルの問題であるが、物理の基本法則について、応用力を伴う本質的理解が要求されるものもあるので、解法の暗記による断片的な知識では通用しない。普段から、解法の元になっている根本の法則まで(さかのぼ)って考える習慣があるとよい。問題の多くは標準的な内容であるが、たまに典型的な型にあてはまらない意欲的な問題も出題されるので、問題集での演習をしっかりやったうえで、過去問もしっかりと研究しておきたい。

力学、熱、波動、電磁気、原子のすべての分野において、幅広く全体から出題されているので、偏りなく全分野を勉強しておく必要がある。原子はほぼ毎年出題されているので、原子もしっかりと勉強しておかなければならない。

PAGE TOP