<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

じょうち

上智大学

上智大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

現代文(TEAPスコア利用型)

2023年度入試の問題分析

TEAPスコア利用方式入試の国語は、現代文・古文・漢文の3題で、試験時間は60分。現代文では、2020年度は天気予報の具体的な表現を紹介した科学的文章、2021年度は日本に伝わってきた明の銅銭に関する歴史学的文章、2022年度は夏目漱石『文学論』をもとに論じた文章、そして2023年度は誤謬(ごびゅう)に関するデカルトの考えを論じた文章が出題されており、特定分野への偏りは見られない。1題あたりの分量は各年とも3,000~3,500字程度と標準的だが、注目すべき特徴は問題文の形式にある。2021年度までの4年間は、同一著作からの2~3の文章の組み合わせに図表が挿入される形式が続いたが、2022年度には一転、随所に文語調である夏目漱石の文章が引用された、図表を含まない単一文章が出題され、2023年度はごく典型的な単一の評論文となった。ただし、この形態が続くかどうかは不透明である。設問は大半が4択の客観式で、解答数は10~11。本文中に傍線部が数多く引かれ、その内容や理由を問う形態は上智大学入試おなじみのスタイル。加えて空欄補充も1問見られた。反面、漢字は出題されていない。個々の設問の難易度は標準~やや難だが、解答時間の割に設問数が多いため、短時間で的確な判断力を発揮し続け、高得点を取るのは決して容易ではない。

2024年度入試対策・学習アドバイス

上智大学入試問題の厄介な特徴は、第一に傍線部とそれに関する設問の多さであり、第二に選択肢のまぎらわしさであり、第三に解答時間の短さであるといえる。そこで、順に説明しながら、効果的な学習法を模索していこう。

迅速かつ的確な選択肢吟味が不可欠

まず設問の多さだが、設問の多くは傍線部前後の文脈を的確にたどることで正解の手がかりが得られるものとなっている。そこで、設問を読み、傍線部前後を慎重に確認しながら選択肢を吟味し、正解を確定するという過程を繰り返し練習していくことが有効となる。私立大学型で難度が高めに設定された問題集で積極的に練習していこう。

選択肢と本文の関係を徹底分析する

とはいえ、正解がかなり特定しにくい設問もときに見られる。問題演習の際にそうした設問に出合ったら、練習段階ではじっくりと腰を据えて、各選択肢が正答や誤答となる根拠を徹底的に分析してみよう。信頼できる人と議論するのも効果的である。そうすることで、当初は見えていなかった筋道が見え、それが精密な読解の訓練ともなる。

読解と解答を並行して進める訓練を

ただし、試験時間が短く、本文全体を熟読してから設問に取りかかるのでは時間が足りないため、本文の読解と設問への対応を同時並行で進めるのが現実的だ。過去問を題材に、限られた時間内で、読みの精度を落とさず解答する訓練を積んでいこう。TEAPスコア利用方式入試の過去問数には限りがあるので、解ききってしまったらほかの日程の過去問も入手し、選択肢吟味の練習材料にするとよい。2021年度まで出題されてきた複数の資料の組み合わせによる多様な出題は、大学入学共通テストとの関連性が高かったが、ここ2年は単一文章からの出題が続いているので、この傾向が2024年度入試でも踏襲されると見るならば、TEAPスコア利用方式入試の過去問よりも、単一文章からの出題であるほかの日程の問題にあたった方が得策とも考えられる。

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