<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

とうきょうやっか

東京薬科大学

東京薬科大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

化学

2023年度入試の問題分析

薬学部B方式I期は大問5題で、すべて記述式である。問題内容と難易度は、(1)原子の構造、分子の構造と極性、分子間力、酸化数、金属イオンの沈殿反応、合金に関する知識問題の小問集合。すべて基礎知識である。(2)問1は濃度変換、溶液の希釈、pHの計算問題、問2は共通イオン効果に関する成語選択問題。この計算は薬学部をめざすならば必ず得意にしておくべき頻出計算なので、多くの受験者は解けたと思われる。共通イオン効果の定義をしっかり覚えていないと、すべての選択肢が正しく見えたであろうから、差がついたと思われる。問3は硫化水素の電離平衡の典型的な計算問題。問4は溶解度積の基本計算。(3)反応速度と化学平衡の典型的な計算問題。(4)有機化合物の沸点、芳香族炭化水素の反応の知識、芳香族化合物の構造決定、アセチレンの反応、クメン法の知識。すべて基礎レベルの問題である。(5)問1はアミノ酸とペプチドの知識と計算問題。ヘキサペプチドが題材だが、アミノ酸配列の決定はないので、基礎問題である。問2は合成繊維の基礎知識。

生命科学部B方式I期は大問5題で、すべてマークシート方式である。問題内容と難易度は、(1)原子、イオン、分子に関する基礎知識と原子量の計算問題。(2)水上置換の計算問題。典型的であるが、水圧も考慮する問題なので、得点差がついたと思われる。(3)熱化学の知識および計算問題。基礎的であるが、熱化学は不得手な受験生が多いので、差がついたと思われる。(4)C4エステルの構造決定。基礎問題である。(5)アミノ酸、糖類に関する基礎知識と、ペンタペプチドのアミノ酸配列決定。全体としては、どちらの学部も基本~標準までの問題で、例年どおりの難易度であった。高得点者も多いと思われる。

2024年度入試対策・学習アドバイス

薬学部の対策

理論分野は、ほかの薬学部同様に滴定の問題も多いが、平衡や電離平衡、電気分解の出題も多い。ほとんどが基本~標準レベルの問題であるが、溶液論については一段高いレベルの問題が出ることもあるので、備えておきたい。無機分野からの出題は少ないので、金属イオンの反応と分離、および気体の実験室的製法と性質を押さえたら、元素別各論は問題集の基本問題を解けるようにしておけば大丈夫である。有機分野は、近年は基礎的な問題が多いので手薄な分野がないようにしておけば大丈夫である。長年にわたって東京薬科大学では、構造決定の独特な出題(短い問題文で、異性体を素早く書き出す力が問われる問題が多かった)が続いていた。近年はそういう問題は出なくなったが、古い過去問に触れる機会があれば、そこだけでも解いておくと、構造決定の実力が上がるであろう。

生命科学部の対策

近年は、基本問題が中心なので、手薄な分野がないようにしておけば、高得点が狙える。ただし、試験時間に対して計算問題の量が多いので、素早く解法を想起できるように練習する必要はある。薬学部同様に無機分野の出題は少ない。原子の構造から化学量までの、化学基礎前半からの出題比率が高いので、取りこぼさないように固めておこう。有機分野は、脂肪族芳香族から半分、天然合成から半分であるが、思考力を要する決定問題よりも、基礎知識の抜けがないように準備することが大切である。

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