<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

こうがっかん

皇學館大学

皇學館大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

古文

2023年度入試の問題分析

2023年度一般選抜では、平安時代に行われた「貝合」の様子を記録した『斎宮貝合日記』、平安時代の歌僧の紀行文『いほぬし』、江戸幕府柳沢吉保の側室が記した『松蔭日記』が出題された。いずれも受験生にはなじみのない作品であった。本文量は、670~930字前後で、私立大学入試の標準的分量の範疇といえる。

設問の解答形式はマーク方式で、設問は問七~八、マーク総数はいずれも11であった。設問内容は、短めの解釈問題3~4問(「年ごろ」「つれづれ」「すさまじう思ふべかめれど」など)、文法問題1~2問(「ぬ」の識別、「らん」「れ」の識別、「なめり」「てむ」の文法的説明)、文学史問題1問(勅撰和歌集の成立時期など)が全日程で出題された。加えて、長めの解釈問題、内容・理由などの説明問題、和歌に関する問題(解釈・句切れ箇所の指摘)、古文常識問題(月の異名と季節)などが出題されていた。いずれも重要古語や文法などの知識を用いて丁寧に読解することで正答を導き出せるもので、全体としても標準的な難易度であった。

2024年度入試対策・学習アドバイス

単語と文法

本文読解のためには、まず単語・文法の基本の知識を着実に身につけ、本文の直訳ができるようになることが大切である。単語については、市販の重要単語集などを利用して、最低でも300語前後の頻出単語の意味を暗記しておこう。何度も繰り返して徹底的に覚えること。

文法については、用言の活用、助動詞の活用・接続・意味、頻出の助詞の意味用法を、一通り押さえたい。そのうえで、紛らわしい語(「ぬ・ね」「る・れ」「なり」「に」「なむ」など)については、識別ポイントを整理して、見分けられるように練習しておこう。敬語についても、意味や敬語の種類、敬意の方向も答えられるようにしておくこと。短文ドリル形式の問題集などで繰り返し練習すると効果的である。

そのほか、有名作品に関する文学史についても一通り押さえておこう。

読解力

読解力は、長文を読むなかでしか養われない。ただ漠然と古文を読むだけでなく、入試頻出問題集などを利用して、「本文を読む力」と「読解問題に答える力」の両方を養っていきたい。

長文を読むときには、重要単語や文法の知識を用いつつ直訳するのが基本である。「雰囲気」ではなく「知識」で読むようにすると得点力がアップする。重要語の意味を文脈に合うように考えたり、多義語の意味を正しく選択できるように、「覚えた知識」を「使える知識」にすることを意識して練習してほしい。さらに、直訳に加えて、「誰が」「誰に」「何を」などの省略されている内容を補ったり、指示語の内容を具体化しながら読むことを心がけると、読解力を高めることになる。最後に、和歌も忘れずに強化しておくこと。「句切れ」を発見できるようになることや、「掛詞」「枕詞」「序詞」「縁語」といった主な和歌修辞を理解して、本文中の和歌のなかで具体的に説明できるようにしておきたい。そのうえで、前後の文脈も踏まえた和歌の理解・解釈ができるように練習を積もう。

恋愛・結婚・政治・戦・出家・死などを描く様々な本文を読み、読解の練習を積んでおくと、素早い状況把握に役立つ力になるはずである。

「初めて読む本文でも読解できる」ことをめざして勉強を続けてほしい。

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