<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

ぶっきょう

佛教大学

佛教大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

現代文

2023年度入試の問題分析

A日程(60分)は、各実施日ともに大問2題で、一は評論文、二は小説の問題だった(二の代わりに古文を選択可)。基礎学力の確認を目的として出題されたものであり、日頃の学習の着実な積み重ねによって対処できる、標準的な問題であるといえよう。まず問題文の特徴を見てみよう。一は、全体主義と誤解されるルソーの「一般意志」を自他の尊重に基づく社会契約の基礎とみる坂井豊貴『多数決を疑う』、ソクラテスが示した皮肉な態度に無限否定を通した知識人への教育手段をみる木田元『哲学散歩』、ネットメディアが社会的影響力を得たことの功罪を指摘する津田大介「ネットメディアの伸長と右傾化」のように、現代の社会と人間に関わる内容だった。一見とっつきにくい場合もあるが、全体の趣旨は一貫しているので、慣れていけば読解も難しくはなくなるだろう。一方二は、尾崎一雄「痩せた雄鶏」、萩原朔太郎「夏帽子」、香月夕花『水に立つ人』のように、抒情性の強い作品が出題された。登場人物の置かれた状況や、心情の動きに注目できれば、読解の糸口は十分につかみうる内容である。つぎに、出題内容について見ると、(1)漢字の知識、(2)語句の知識、(3)文脈を読み取る力、(4)広く文脈を読み取る力を問う意図のもとに、指示内容、接続語、文中の言い換え、脱落文挿入、心情や場面の推移の理解、表現の特徴、論理展開、筆者の主張、内容合致などが問われた。すべてマークセンス方式の選択問題であり、文中に引かれたいくつもの傍線部に関して文脈理解力を問うたうえで、全体の趣旨の理解を問うという、共通テストに近い問題構成となっていた。

2024年度入試対策・学習アドバイス

前記の出題意図(1)~(4)を理解し、それらを念頭に置きながら、日々の学習を着実に積み重ねていくことが、攻略の近道である。漢字力(常用漢字と、常識として知っておくべき読みの知識)および語彙(ごい)力(四字熟語、ことわざ、慣用表現、評論用語などの重要語句の意味の知識)については、問題集やドリルを用いて学習し、ぜひ得点源にしてほしい。(3)の文脈理解力に関しては、過去問、および似た傾向の問題を収録した問題集を解きながら、普段から力をつけていってほしい。その際、問題文を四つ程度の「意味段落」(小説の場合は「場面」。傍線の位置と数に対応)に分けて、それぞれの小見出しをつけるトレーニングを重ねることが、実力アップへの近道である。一つひとつの意味段落(場面)には、それぞれ言い表したいこと(小説の場合は思いや心情)がひとつある。そのひとつを的確に取り出すことを、小見出しをつける際の目標にしてみてほしい。(4)の広い文脈の理解力を身につけるには、(3)の学習と連動する形で、評論の場合は、全体の要旨を50~100字程度で要約する訓練を重ねていくとよい。また小説の場合は、小説の出発点におかれる思い・心情Aが、あるきっかけCを通して、最終的な思い・心情Bにたどりつくさまを、図式的に押さえる訓練を積み重ねていくとよいだろう。問題を解いた後の復習としては、間違った箇所について、その間違いの原因をしっかり分析し、次につなげよう。また、本文に出てきた言葉で、意味のわからなかったものについては、辞書などで調べ、着実に身につけていくようにしよう。

PAGE TOP