兵庫医科大学

兵庫医科大学大学からのお知らせ　入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

化学(医学部)

2023年度入試の問題分析

大問3題、化学全般から出題された。全問記述式である。論述問題は1問、描図問題は1問、計算問題は5問あり、すべて計算過程の記入も求められた。医学部の一般選抜での出題内容は、【1】アンモニアの実験室的製法と結合エネルギー、酢酸の電離平衡に関する問題（計算問題3問〈結合エネルギー、電離度、pH〉）、【2】単体の鉛の結晶構造と、反応と性質、鉛（II）イオン、銅（II）イオン、銀（I）イオンを含む水溶液の分析（論述問題1問〈鉛が希硫酸にほとんど解けない理由〉）、硝酸鉛（II）とハロゲン化カリウムを質量和が10.0gになるように混合したときの沈殿物の質量の変化からハロゲン元素の種類を決定する問題（グラフの描図1問、計算問題1問〈グラフからハロゲンの原子量を算出〉）、【3】芳香族エステルとアミドの構造決定と、有機化合物の抽出に関する問題（計算問題1問〈組成式と分子式の決定〉）であった。試験時間は理科2科目で120分となっており、難易度は基本～やや難の内容となっている。

2024年度入試対策・学習アドバイス

まずは標準的な内容の徹底理解を

理論分野からは、元素の性質、酸・塩基、酸化還元、希薄溶液の性質、反応速度と化学平衡などの分野からよく出題されている。無機分野からも理論化学と絡めて出題されることが多い。有機分野からも必ず1題出題される。

教科書の内容をしっかりと理解したうえで、さらに応用力もつけておく必要がある。そのためには、初めから難しい問題を解くのではなく、まずは標準的なレベルの問題をやりこみ、その内容を徹底的に理解したうえで、さらに応用問題まで演習しておく必要がある。

計算問題対策を十分にしよう

理論分野を中心に、気体、熱化学、結晶、酸・塩基、酸化還元、溶解度、希薄溶液の性質、反応速度、化学平衡など、計算問題が多く出題されている。問題演習を通して十分な計算練習をしておく必要がある。また、計算過程の記入やグラフなどの描図を求められることがあるので、計算式だけを乱雑に書きなぐるのではなく、未知数を設定するときには、その旨、解答欄に記入し、きちんと立式してから解くというスタイルを身につけ、またグラフを的確に描く練習もしておく必要がある。

有機分野からの出題は必ずある

代表的な有機化合物に関する内容が大半なので、ここでミスをすると致命傷である。また、構造式を書く問題だけでなく、論述問題が出題されることもあるので、しっかり勉強する必要がある。

無機分野もしっかり勉強しよう

無機分野からも大問として1題以上、理論分野を絡めて出題されている。無機全般を勉強し、物質の性質について理解しておく必要がある。無機分野はどうしてもおろそかにしがちだが、合格には高得点が必要である。心して取り組んでほしい。

「糖」「アミノ酸とタンパク質」「合成高分子化合物」「核酸」の対策を

化学平衡や電離平衡といった理論化学のみならず、アミノ酸とタンパク質および糖、合成高分子化合物、核酸といった内容からの出題もある。この分野は知識量や、計算問題の演習量で差がつきやすいので、早めの対策が必要となる。標準問題集でしっかり練習しながら実戦力をつけておくことが大切である。