兵庫医科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
生物(医学部)
2025年度入試の問題分析
大問数は2024年度と同じ5題、全体の小問数は2024年度が50問、2025年度は49問であり、ほとんど変化がなかった。また、データ考察問題は2024年度が2題、2025年度も2題であり、変化はなかった。論述問題は2024年度は字数制限がある問題が6問で合計385字、字数制限のない問題が2問で、2025年度は字数制限がある問題が2問で220字、字数制限のない問題(100字以内で解答できる)が2問であり、大きく減少した。また、計算問題は2024年度は集団遺伝、標識再捕法、呼吸、伴性遺伝に関して、2025年度は分子進化、集団遺伝、腎臓に関する計算が出題された。一般選抜Aの理科は2科目で120分なので、1科目あたり60分となる。問題数が多く、論述問題や計算問題も多いので、時間内でじっくり考えて解答するのは難しかったと思われる。
出題分野は、〔問1〕が小問集合による総合問題(選択肢を選ぶ問題で、様々な分野から出題される)であり、〔問2〕が集団遺伝に関する知識問題と計算問題、〔問3〕はウニとカエルに関する発生の知識問題と実験考察問題、〔問4〕が免疫に関する知識問題と、二重拡散法(沈降法)に関する問題、〔問5〕が血糖濃度の調節に関する知識問題と糖尿病、グルコース輸送体の働きに関して出題された。
2026年度入試対策・学習アドバイス
以下のことに注意して学習に取り組んでほしい。
基本的知識をしっかり確認しよう
問題集で一度解いたことがあるような問題が多く出題される。特に2025年度は、かつてはよく出題されていたが、近年は出題頻度が低下した問題(気体の体積変化による呼吸の仕組みの推定、ウニの発生、免疫における二重拡散法など)が出題されている。基本的知識を尋ねる設問も多く、特に〔問1〕の小問集合の問題で確実に得点できたかどうかが合否を分けると考えられる。そのためには、通常の問題集などに出ている問題をなるべくたくさん解いておく必要があるだろう。また、問題数が多いので、60分の時間内で解答するためには、すでに解いたことがある問題かどうかがポイントとなる。
論述力を養おう
2025年度は160字の論述問題が出題されたが、例年は100字程度までの出題が多い。試験時間が短いので、短時間で素早く論述する練習をしておこう。
計算問題に対する対策を行おう
2025年度は進化における分岐年代の推定、集団遺伝、腎臓の働きに関する計算問題が出題された。計算問題はできた、できなかったがはっきりするので、計算問題で合否が分かれる可能性が高い。遺伝については、難しい問題は出題されないと思われるので、基本的な計算問題を練習しておけばよいだろう。2025年度は出題されなかったが、呼吸や光合成(化学式を用いた計算)、遺伝子(DNA関連の計算問題)、細胞周期の各時期の長さ、酸素解離曲線などに関する計算問題も練習しておこう。
様々なタンパク質の名称と働きを押さえておこう
細胞骨格、モータータンパク質、細胞接着、輸送タンパク質、また発生における調節タンパク質などについて、知識問題として出題される可能性が高い。その名称と働きをしっかり押さえておこう。
