入試対策情報
物理(医学部)
2022年度入試の問題分析
出題分野とその傾向試験時間は理科2科目で120分である。大問数は5題で、それぞれ小設問が6~12問程度設定されている。2022年度は、「力学」「電磁気」「波」「熱」「原子物理」の各分野からそれぞれ出題された。大問の出題傾向としては、毎年必ず「力学」と「電磁気」の両分野からの出題はあるが、ほかの分野からの出題は年度によって異なり、明確な傾向性は見いだせない。また、物理の様々な分野に関する小問集合の問題が出題される場合もある。
問題の難易度問題の難易度については、解答が比較的容易な問題から、少々煩雑な計算を要したり、物理の概念に対する深い理解を問う問題まで、様々な難易度の問題が混在している。ただ、問題の設定などは一般的なものも多く、全体を通しては、入試問題として標準的な問題が出題されている。時間的な制約を考えれば、解答が難しい問題は後回しにして、解答が容易な問題から要領よく解答を進めることが肝要である。
解答形式ほとんどの問題が、解答用紙に簡単な計算の過程と答えを記入する「記述式」である。だからといって、解答のプロセスを細かく筆記するのではなく、必要最小限の式や計算結果を記述することが大切だ。普段から、自分の解答のプロセスを簡潔に記述する練習を重ねておく必要がある。
2023年度入試対策・学習アドバイス
様々な分野の基本事項を徹底理解せよ大問の数が多く、ときには小設問の集合問題が出題されることもあり、物理の様々な分野から広範囲に問題が出題されている。したがって、苦手な分野をつくることなく、物理の全分野をまんべんなく学習し、基本事項を正しく理解することが重要である。具体的には、「物理法則」などの導出の過程を、教科書などを丁寧に読んで、自分で再現できるようにしておく。「物理法則」の導出の過程にこそ、物理にとって重要な観点や考察が含まれているからである。また、「力学」と「電磁気」の分野は特に重要視されているので、この両分野の基本事項を重点的に学習しておくべきだ。そのうえで、標準的な難易度の問題集を用いて、標準的な入試問題を正確に、要領よく解く練習を繰り返せばよい。難しい問題をじっくりと時間をかけて解くのではなく、標準的な問題を手際よく、最後の設問まで解ききる能力を身につけることが大切である。こうした能力こそ、真の意味で合格に必要な力となる。
過去問の演習を徹底せよ前述した学習をこなした後に、過去問の演習に取りかかろう。その際には、必ず理科2科目を同時に演習し、120分の解答時間で解く練習をするべきだ。このときに、実際の問題の難易度と問題量、そして解答に要する時間などを体験し、時間配分や問題を解く順序などの戦略を身につけよう。ただし、過去問演習はあくまで傾向と時間配分の体験だから、物理の学力を十分に身につけた後で行うべきである。初めから、過去問だけ解けばよいということでは決してない。本当に重要なことは、前述したように標準的な問題を最後まで解ききる能力を身につけることにある。この能力こそ、諸君らを合格へと導くだろう。
