兵庫医科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
化学(医学部)
2025年度入試の問題分析
出題数は大問3題、出題範囲は化学全般から出題された。出題形式は全問記述式である。計算問題は6問あり、すべて計算過程の記入も求められた。2024年度は出題されていた論述問題や描図問題は出題されなかった。
医学部の一般選抜での出題内容は、【1】小問集合(計算問題3問〈中和反応による発熱と水溶液の温度の変化量の算出、スチレン‐ブタジエンゴムの組成比の算出、複数の化学反応が同時進行するときの反応の量的関係〉)、【2】競争反応の反応速度と化学平衡に関する問題、および、反応温度とナフタレンのスルホン化の位置の違いについて考察させる問題(計算問題3問〈反応途中の生成物の濃度比の算出、平衡定数の算出、平衡状態での生成物の濃度比の算出〉)、【3】環構造を含む芳香族トリエステルの構造決定(アセチルサリチル酸の合成の内容を含む)に関する問題であった。
一般選抜Aの理科は2科目で120分となっており、難易度は、基本〜やや難の内容となっている。
2026年度入試対策・学習アドバイス
まずは標準的な内容の徹底理解を
理論分野からは、元素の性質、酸・塩基、酸化還元、希薄溶液の性質、反応速度と化学平衡などの分野からよく出題されている。無機分野からも理論化学と絡めて出題されることが多い。有機分野からも必ず1題出題される。
教科書の内容をしっかりと理解したうえで、さらに応用力もつけておく必要がある。そのためには、初めから難しい問題を解くのではなく、まずは標準的なレベルの問題をやりこみ、その内容を徹底的に理解したうえで、さらに応用問題まで演習しておく必要がある。
計算問題対策を十分にしよう
理論分野を中心に、気体、化学反応とエネルギー、結晶、酸・塩基、酸化還元、溶解度、希薄溶液の性質、反応速度、化学平衡など、計算問題が多く出題されている。問題演習を通して十分な対策をしておく必要がある。また、計算過程の記入やグラフなどの描図を求められることがあるので、計算式だけを乱雑に書いて解くのではなく、未知数の設定についても記入し、きちんと立式してから解くというスタイルを身につけ、またグラフなどを的確に描く練習も必要である。
有機分野からの出題は必ずある
有機分野からの出題は必ずある。代表的な有機化合物に関する内容が大半なので、ここでミスをすると致命傷である。また、構造式を書く問題だけでなく、論述問題が出題されることもあるので、化合物の特徴などについてもしっかり勉強する必要がある。
無機分野もしっかり勉強しよう
無機分野からも大問として、理論分野を絡めて出題されることがある。無機全般を勉強し、物質の性質について理解しておく必要がある。無機分野は手薄になりがちだが、しっかりと取り組んでほしい。
「天然有機化合物」「合成高分子化合物」の対策も忘れずに
化学平衡や電離平衡といった理論化学のみならず、アミノ酸とタンパク質および糖類、合成高分子化合物、核酸といった内容からの出題もある。この分野は知識量や、計算問題の演習量で差がつきやすいので、早めの対策が必要となる。標準問題集で練習しながら実戦力をつけておくことが大切である。
