豊田工業大学大学からのお知らせ 入試対策情報
物理
2024年度入試の問題分析
2024年度から新たに実施された一般入試の試験時間は90分、配点は150点である。出題範囲は物理と物理基礎の全範囲である。解答形式は記述式であるが、解答のみを記述する設問が多い。グラフ描図問題や空欄補充の設問も含まれる。内容に関しては、大問が3題の構成である。第1問は水平面に置かれた台上を小球が運動する問題で、テーマは力学的エネルギー保存則と運動量保存則である。第2問は単原子分子理想気体の状態変化で、ピストンの上部に液体を入れ、ピストンにはたらく力が液体の量によって変化する状況を扱っている。第3問は平行板コンデンサーの基本的特性、コンデンサーを使った回路、コンデンサーの極板にはたらく力に関する問題である。設問の多くは標準の範囲に収まる難易度となっている。試験時間に対して解答に必要な時間は十分である。一部には思考力の必要な設問も含まれるが、標準・典型的な演習問題を解く力があれば突破できる出題となっている。
2025年度入試対策・学習アドバイス
現象の背景にある物理法則を正しく理解しよう
大学入試の問題は、何らかのテーマや現象を題材に出題される。このため、問題を正しく解くためには、物理法則の理解と整理が第一に大切になる。教科書や参考書を目で追うだけでなく、ペンを動かしながら問題演習を行うこと。具体的に問題を解くことを通して、その問題がどのようなテーマであり、どの物理法則が適用できるのかを判断できるようにしよう。問題を解く過程で、必要があれば教科書などを参照しながら公式を覚えていこう。等加速度運動の公式などは導出することができるので、体系的に理解することを心がけよう。
問題演習を繰り返す過程で、テーマ同士のつながりも探求しよう。例えば仕事とエネルギーの関係は、運動方程式とつながっている。力積と運動量の関係もまた、運動方程式とつながっている。その過程で、運動量保存則と力学的エネルギー保存則が成り立つ条件の違いを考察しよう。単一のテーマだけでなく、全体を通して個々のテーマの位置づけも再確認するようにしよう。
基本・典型問題演習をしっかり行う
物理法則の理解が不十分な場合、公式をまだ覚えていない場合には、まず簡単な基本問題(手近な教科書傍用問題集の基本例題など)を解いてみることから始めてみよう。解けない問題があればまず解答を読んでしまってもよい。ただしその直後に自分で解答を再現してみること。意識してしっかり解答の流れをフォローすることが大切である。物理では力学分野が必ず出題される。しかも力学分野は他の分野の土台にもなるため、その理解は特に重要である。等加速度運動、力と運動、仕事とエネルギー、力積と運動量、円運動や単振動など、全般的な理解を早い段階である程度固めておくようにしよう。一方で電磁気分野は演習量が不十分になりやすいので、幅広い分野の基本問題と典型問題に触れておくことをおこたらないようにしよう。
やや設定が複雑な問題にも取り組む
典型問題に習熟したら、次に、やや設定が複雑な問題に取り組むとよい。適切に設定を読み取るためには、普段から様々な問題で練習しておくことが有効だろう。焦ることなく、制限時間内に解法を見つけて計算を完了できるように練習しよう。