
※前年度情報を掲載中
世界史
2022年度入試の問題分析
問題数は全日程とも大問4題で、小問は50~51問であった。出題形式は例年どおり、事項や人名の選択問題と短文の正誤判定問題が中心で、2021年度に1問出題された地図問題が、2022年度も2月3日入試で1問出題された。解答形式も例年どおり4~6者の択一問題であった。出題分野は例年幅広く、2022年度は中国史、古代オリエント、古代ギリシア・ローマ、古代インド、イスラーム史、中世~近代ヨーロッパ、19世紀のアメリカ、東南アジア史、第二次世界大戦後の世界などが出題された。また、例年文化史の出題が多く、2022年度も2月1日入試でイスラーム文明が、2月4日入試で春秋戦国時代から宋代までの中国文化が、それぞれ大問で出題された。大問以外でも全日程で文化史は出題されており、その分野は、中国文化史を中心に、古代ギリシアから近代ヨーロッパにかけての文化などであった。時代別では、例年前近代からの出題が6~8割程度と若干高くなっている。第二次世界大戦以降の歴史(戦後史)は、2022年度は2月3日入試で大航海時代から2000年代までの台湾に関するものが、2月4日入試で東西冷戦に関するものがそれぞれ大問で出題されたほか、各日程で小問でも出題されている。
2023年度入試対策・学習アドバイス
基本事項をしっかり押さえよう
名古屋外国語大学の入試問題の多くは、基本的事項を問う問題である。したがって、まずは教科書の太字で書かれた事項や人名などの基本用語を確実に覚えることが重要である。出題分野は例年多岐にわたるが、なかでも、古代ギリシア・ローマ史と中世~近代のヨーロッパ史、中国史は頻出で、アメリカ合衆国史、ロシア・ソ連史、国際関係史も重要である。これらの範囲は特に、用語集などを活用して曖昧な点を解消しながら着実に勉強を進めよう。また、地図を用いて国同士の位置関係や歴史上重要な都市の場所などを確認することを習慣としよう。同時代の理解が深まるし、たびたび出題されている地図問題の対策にもつながる。
文化史や近現代史の学習を忘れずに
名古屋外国語大学の入試では全日程で文化史が頻出で、文化史が大問で出題されることを念頭に置いた学習が重要となってくる。まずは、政治史で頻出の人名や事項と関連する文化史(例えば、ヘロドトスとペルシア戦争を題材とした『歴史』、フランス七月革命とドラクロワの「民衆を導く自由の女神」など)を確実に覚えよう。さらに、過去5年間くらいの問題を解き、複数回問われているテーマを中心に覚えていこう。建築様式なども出題されるので、教科書や図説で写真を見ておくことも効果的である。また、戦後史も例年出題されている。戦後史を含めた近現代史と文化史の問題の出来は合否を左右するので、基本的な問題は確実に正解できるようにしておきたい。
過去問を活用しよう
名古屋外国語大学の入試で出される4~6者択一の正誤問題は、選択肢の文が比較的長いことが特徴である。そのため、過去問を解いてまずはその長さに慣れていこう。そしてどの部分が誤りかを丁寧に判定していくと、頻出分野が把握できるだけでなく、世界史全体への理解が深まり、知識の定着も図れるので、過去問をぜひ積極的に活用してほしい。