豊田工業大学大学からのお知らせ 入試対策情報
化学
2025年度入試の問題分析
出題形式は記述式であり、大問4題が出題、試験時間は90分で配点は150点になる。第1問は小問集合形式で、水の状態図、酢酸の二量体、蒸留の実験操作、イオン化エネルギーと電子親和力、合成高分子、結合エネルギーに関する問題が出題された。基本的な問題が多く、確実に得点しておきたい。第2問〔A〕は、溶解度積とpH変化を用いた硫化物の沈殿の問題。〔B〕は鉄の化合物で、Fe2+とFe3+からなる化合物を考える問題。第3問〔A〕は一酸化窒素の製法、二酸化窒素と四酸化二窒素の気相平衡、ファンデルワールスの状態方程式。〔B〕は過酸化水素の分解反応の反応速度。第4問は芳香族化合物に関する問題が出題された。第2~4問は理論化学、無機化学、有機化学の各分野から出題されている。標準的な問題ではあるが、知識量よりも思考力を問う問題が多い。計算問題は、計算量はそれほど多くはないが、前の設問の解答を次の設問でも利用する形式の問題が多く、計算ミスには注意すること。
2026年度入試対策・学習アドバイス
理論分野の対策
理論分野は出題全体に占める割合も高く、基本的な内容から応用的な内容まで、広い分野から出題されている。出題される問題は頻出分野からの出題が多いが、各設問に工夫がされていて、表面的な知識だけでは対応できず、思考力を必要とする問題も多い。また計算問題も各分野から多数出題されている。計算自体はそれほど複雑ではないが、問題の設定を正確に理解していないと計算式が立てられず、解けない問題も多い。したがって理論分野は合否のポイントとなる最重要分野であり、しっかりと学習しておく必要がある。まずは教科書に出てくる重要な用語・定義・法則などを覚えること。さらにそれらの意味を正確に理解したうえで、問題演習を十分にしておくこと。応用的な問題集で、やや発展的な問題演習をしておくとよい。
無機化学の分野の対策
無機化学の分野は、気体の製法と性質、金属イオンの分離方法、無機工業化学などが重要分野である。教科書に出てくる物質の名称や化学式、性質や反応などをしっかりと覚えておくこと。さらに、覚えた知識が確実に身についているかを確認するために、問題演習もやっておくこと。また、無機化学の分野は理論分野との融合問題も出題されるので、理論分野と関連づけた学習が必要である。計算問題も含めて演習をしておくこと。
有機化学の分野の対策
炭化水素、アルコールとその酸化生成物、エステル、芳香族化合物とその誘導体、油脂・セッケンなど、代表的な化合物の性質や反応を系統的にまとめ、反応名や構造式、化学反応式を確実に書けるようにしておくこと。そのうえで、アルコールやエステル、アミドの構造決定の問題演習をすると、覚えた知識の整理にもつながるので有効である。また高分子化合物からの出題も多く、糖類、タンパク質、合成高分子、ゴムなど、教科書に記載のある物質は、しっかり確認しておくこと。さらに、計算問題も出題されるので、アミノ酸の等電点、ビニルアルコールのアセタール化の計算など、よく出題される分野の問題演習をしておくこと。
