聖心女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
英語
2024年度入試の問題分析
ここでは3教科A方式の問題を分析する。2023年度同様に、読解総合問題が中心であり、記号をマークする客観式の問題と自分で解答を記入する記述式の問題が併用されている。本文中の単語やフレーズを英語で正しく言い換えたものを選ぶ問題や空所補充問題が多く、論旨展開に沿って「この文脈を踏まえると、この単語やフレーズはどういう意味になるはずか」「この空所にはどういう意味合いの語が入るべきか」を的確に判断する思考力が求められている。また、大問IIでは長い会話文の要旨を簡潔にまとめた要約文の空所補充問題が出題されており、会話の概要を把握したうえで、その展開に合う単語を選ぶという応用力が試されている。さらに、大問IIIでは本文のテーマに関連した自由英作文も出題されるので、付け焼き刃の裏技などではなく、豊富な語彙・文法知識を前提とした確固たる読解力・表現力を養成して、英語の総合力をバランスよく高めていくことが肝要だ。
2025年度入試対策・学習アドバイス
イメージを重視した語彙力対策を
読解・英作文を問わず、あらゆる基盤となるのが語彙力だ。本文中の語句を英語で言い換える問題に対応するには、単語集に載っている訳語を丸暗記するのではなく、「この単語はこういう意味合いだ」というイメージで認識しておくとよい。また、本文中の単語を指示された品詞に変えて書く問題(例:resignを名詞に)も出題されるため、関連語も含めてスペリングまで正確に覚えておく必要がある。短期間では語彙力はアップしないので、日常生活のなかのちょっとした隙間時間を活用して地道に対策しよう。
速読と精読を区別した読解対策を
合否を分ける最大のカギは読解力だ。聖心女子大学では空所補充問題や内容一致問題のようなマーク式の選択問題だけでなく、本格的な和訳問題も出題される。内容に関する選択問題では共通テストと同様に、枝葉末節にこだわらず本文の要旨を手早く把握するという速読スキルが求められる。一方、和訳問題では個々の単語を日本語に変換して漫然とつなぐのではなく、「下線部の骨格となるSVはどこか」「関係副詞whereが導く範囲はどこまでか」のように英文構造を綿密に分析して、その構造に沿って訳出するという精読スキルが求められる。この「速読」と「精読」を明確に区別したうえで、それぞれ問題集などで効率的に対策を進めよう。
添削指導で英作文対策を
本文内容に関連したテーマで60語程度の英語を書くという形式の英作文が定番化しているが、頭のなかで答案を思い描くことと実際に書くことは全く別なので、練習ではとにかく自分で書いてみよう。ただ、自分の書いた答案が合格レベルに達しているかを判断するのは難しいため、定期的に添削指導を受けて自分の課題を指摘してもらうとよい。自分の苦手な部分を自覚してその都度修正するという訓練を重ねていけば、文法上のミスが徐々に減っていき、論理構成のような英作文に必要な技術も習得できるようになる。また、独立した文法問題は出題されないが、誤りのない英文を書くには正確な文法知識が不可欠なので、文法問題集で一通り対策しておこう。並び替え問題を重点的に解けば、文法の確認になるばかりか、正しい英文を書く訓練をしていることになるので、自由英作文でも大いに役立つはずだ。