私立

学習院女子大学

入試対策情報

日本史

2023年度入試の問題分析

2023年度の問題数は、大問4題、小問40問であり、これは2021年度にそれまでの形式から小問数が大きく減少した形を踏襲したものとなった。問1が原始古代、大問2が中世、大問3が近世、大問4が近現代という構成となっている。解答方式は記述方式と記号選択からなっており、2021年度以降は大問ごとに記述式とマークセンス方式が約半数ずつ、マークセンス方式では用語選択を基本としながら、文章正誤問題や史料問題なども見られる。リード文中の空欄補充問題の比率は小問数の半数を超えることも多い。時代別に見ると、原始から戦後まで広く出題されることが多い。2022年度は原始や戦後からの出題がなかったが、2023年度は大問1が原始分野から、大問4が昭和戦後からの出題となっていた。史料問題も含め、前年度に出題がないが翌年度出題されるということも多く、その学習をおろそかにすることはできない。難易度については、問われている内容の大半は教科書レベルの標準的な知識で解答できるが、詳細な知識を問われる場合もある。標準的な問題で失点をしないことが重要となる。

2024年度入試対策・学習アドバイス

教科書を中心に学習したい

入試では、標準レベルの問題を確実に得点することが大切である。教科書中心の学習を心がけ、基本事項を正確に確認しておきたい。過去には教科書に掲載されているグラフを利用して出題されたことがあり、普段から細部までしっかり教科書を確認しておかなければ正解を導くのは難しい問題も出題される。教科書を利用した丁寧な学習を心がけるようにしてほしい。また、記述式の問題が多いため、歴史用語は漢字なども正確に書けるよう実際に「書く」学習が欠かせない。歴史用語を記述させる問題では字数指定があることが多いが、この指定は解答を導き出すヒントとしても活用したい。

文化史で確実に得点したい

文化史が大問で出題されることが多いなど、文化史の比重の高さは学習院女子大学の特徴のひとつともいえる。文化史の出題範囲も原始~近現代まで幅が広く、2022年度は近代、2023年度は中世の文化史で大問が構成されていた。しかし決して詳細な用語の知識を要求するのではなく、教科書本文レベルの知識があれば解答できる問題である。苦手な時代などをつくらないようにしたい。文化史の学習が十分にできているか否かは得点に直結する部分でもあり、早めの対策を行ってほしい。

時代に偏りのない学習を

学習院女子大学は近現代史の比率が多かったが、2021年度以降は近現代の問題数が減少し、全時代から出題されている。2023年度は、原始時代のうちの旧石器時代のみで5問出題されているなど、手薄になりがちな時代の学習もおろそかにできない。

過去問の確認をしたい

学習院女子大学では過去に史料やグラフ、図版や年表、地図などが出題されている。2022・2023年度にはこれら資料を利用した出題はなかったが、史料利用問題の対策をおこたるべきではなく、教科書レベルの史料を多く読む、また数字やグラフの問題にも慌てないように、普段から教科書を中心にグラフなども避けずに読むようにしておきたい。この点では共通テスト(センター試験)の過去問で練習をするのも有効な学習法といえる。