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入試対策情報

現代文

2023年度入試の問題分析

設題数は、現代文の文章題2題である。2022年度は独立していた知識問題が2023年度では文章題に組み込まれたため、2022年度よりも大問の数は減っているが、解答数は25と変わっていない。第1問は政治学者が消費社会について論じた評論文から、第2問は文学作品の文庫版に掲載された「解説」について書かれた随筆から出題されている。設問の内容は知識問題と、文章読解問題に大別できる。前者は漢字、語句の意味、熟語などについての知識が問われた。後者は、空欄補充、脱文挿入、内容説明、内容一致問題が出題された。出題形式は例年どおり、すべてマーク方式である。

2024年度入試対策・学習アドバイス

基本的な読解力を身につけよう

文章が特別に難解ということはない。現代文の教科書に収録されている評論・随筆をしっかりと読み込み基礎的な読解力を養っておけば、十分対応できる。比較的新しい文章から出題される可能性も高いから、新聞の社説や文化欄の文章、新書などに目を通して、新鮮なテーマに触れておくことも重要だ。ただ、2022年度の第2問は、データに基づいた社会科学的な文章から出題されており、数値を読むのに慣れている方が有利である。新聞の報道などで数値を挙げて書かれている記事などは積極的に読むように心がけよう。文章を読む作業は「ぼんやり、何となく」行っていてはいけない。読解の訓練は、段落同士のつながり、文章全体の構成、筆者の言いたいことなどを明確にし、文章の隅々まで理解することを目標にして丁寧に取り組もう。

本文に根拠を見つけて答えを導こう

読解問題はすべてマーク方式であり、多くの人がいわゆる「消去法」に頼ることになるだろうが、そればかりではなく積極的に正解を選択できる力をつけておきたい。設問と本文を対照させて、設問の要求に即した根拠を本文中に見出す訓練をしておこう。問いの答えがあらかじめわかっていれば、紛らわしい選択肢に迷わされることもなくなるはずだ。そのためには、遠回りのようではあるが、記述問題にも取り組んでおくことをお勧めする。記述問題がしっかり解けるようになれば、選択問題の正答率は間違いなく上がるはずだ。記述問題をはじめ、様々な問題が偏りなく収録された問題集を使って演習を行うのがよいだろう。レベルは基礎レベルでよいから、慌てず丁寧に取り組もう。なぜ間違えたか、正解するには何が必要だったか、など、常に自分に問いかけながら取り組むのが学習のコツだ。

国語についての知識を充実させよう

語句の意味、漢字、熟語など、知識を問う設問の分量は少なくない。ここで点数を落とさないように、日頃からこまめに辞書を引き、漢字の練習もおこたらないようにしたい。過去には漢字の部首名を答える問題も出題されている。読み書きだけでなく、漢字検定の対策のように漢字についての知識を総合的に身につける勉強も必要だろう。また、文法事項が問われた年度もあり、中学時代に学習した口語文法をしっかりと理解し直しておくことも大切だろう。慣用句や四字熟語についての知識もしっかりと定着させよう。単に辞書を引くだけでなく、国語便覧などを活用してまとまった学習をしておくことが大切だ。