名古屋葵大学大学からのお知らせ 入試対策情報
生物
2024年度入試の問題分析
いずれも大問4題からなり、出題方式は、記述、選択、論述、計算、描図であった。教科書に準じた出題が中心となっているため、全体的な難易度は標準である。
2月1日実施
1.転写・翻訳。論述は塩基の置換による影響。2.血糖濃度の調節。論述は血糖濃度を下げるホルモンが1種類である理由(100字)。3.血液。論述は血液凝固と線溶の違い(60字)。4.干潟の生態系。論述は干潟の説明(30字)、赤潮の説明(25字)とその影響(15字)。描図は干潟の生物の食う・食われるの関係を図示するもの。
2月2日実施
1.DNAの構造。2.光合成速度。3.代謝。論述は呼吸の過程の説明(70字)。4.生態ピラミッド。論述は上位の栄養段階ほど得られるエネルギーが減少する理由(35字×2)。描図は寄生の場合の生物量ピラミッドを図示するもの。
2月3日実施
1.生物のさまざまな実験とそれに用いる器具や材料。2.ミトコンドリアと葉緑体。論述は「独自のDNAをもつ」が細胞内共生説の根拠になる理由(50字)。3.体温調節。論述は寒冷刺激を受けて分泌が促進されるホルモンが肝臓に与える影響(40字)。4.植生の遷移。論述は遷移の説明(30字)。
2025年度入試対策・学習アドバイス
教科書の基本事項を理解しよう
教科書の文章をベースに出題されているので、教科書は隅々まで繰り返し目を通し、教科書傍用の問題集を繰り返して演習しておこう。
文章でまとめよう
論述問題が毎年出題されており、全体の配点に占める割合は大きいと思われる。少しでも失点の少ない答案を書けるようにしたい。生命現象のしくみやそのような現象が起こる意味を知識に基づいて論述する問題が多いので、まずは、問題集に掲載されている知識を論述する問題をきちんと書けるようにしておこう。また、教科書にある「まとめ」などを利用して各項目を文章でまとめるとよい。「100字以内で」のような指定字数の多い問題では、不要なことを書いても点数にはならず、その内容が誤っている場合には減点される可能性もあるので、むやみに書くのは避けるようにしたい。論述問題は書くことで上達するので、日々の積み重ねが重要である。
計算問題を攻略しよう
基本的な計算問題が出題されることがある。知識の整理が終わったら計算問題の対策に取り組むとよい。問題集の基本的な計算問題を中心に、解答の道筋をきちんと理解し、解けるようにしておこう。
重点的に対策してほしい分野
比較的狭いテーマから細かく出題される傾向がある(例えば、「血液凝固」だけが出題される)ので、全体的な学習を終えたら、一つひとつの分野を丁寧に仕上げる。論述問題の配点の割合が大きいが、空所補充や用語を答える問題も大きな割合を占めるので、文章中の空所を埋める問題は数多くこなしておこう。過去に出題された分野からも出題されているので、過去問の演習を丁寧に行い、出題された分野に関しては、同じ分野の問題をさらに演習し、教科書を熟読しておこう。なお、2025年度からは新課程に対応した入試になる。転写と翻訳に関する内容がこれまでよりも詳細になる一方で、酸素解離曲線や腎臓の尿生成に関する計算、肝臓、生態系における窒素循環などは出題されるケースが低いと予想される。過去問を演習する際にはこれらの分野以外を優先してやるとよい。