各大学の「ボーダー得点率」を1/18、19実施の共通テストに基づく予想ボーダーラインに更新しました。(1/22 11:30反映)

私立

かんさいいりょう

関西医療大学

関西医療大学大学からのお知らせ 入試対策情報

現代文

2024年度入試の問題分析

前期A日程は、評論2題からなる出題だった。まず問題であるが、大問一では2,600字程度(2023年度とほぼ同じ)、大問二では4,200字程度(2023年度より1,200字ほど増加)の文章が出題されている。例年、現代の文化や社会を主題とする文章が出題され、自然科学から言語学、社会科学に至る多様な領域から出題されているが、2024年度は、大問一が生態系の仕組み、大問二は人間の認知過程に関する内容だった。大問一は、生態系の全体が各要素間の動的なバランスを保ちつつ生命の多様性の保全を可能にする仕組みである点を指摘する福岡伸一の評論『動的平衡2』。また大問二は、心理過程を制御するのは「こころの力」としての意志であると述べる山鳥重の評論『「気づく」とはどういうことか』。いずれも、全体を一貫するテーマを見つけられさえすれば、分量の多少にかかわらず、平易に読み取れる内容になっている。次に、設問形式について見ていくと、大問一では、漢字問題(書き取りと読み)、空所補充問題、語彙(ごい)力を問う問題(「乱雑」の反対語として「秩序」を選ばせるなど)、抜き出し問題、脱落文挿入問題、記述問題(25字・70~90字)など多岐にわたる。また大問二では、例年あった文学史問題が姿を消し(前期B日程では出題)、実質的に本文全体の要約を90字で行う問題が出題されるなど、新たな傾向が観察される。難易度は標準的といってよいが、その分、本文全体の趣旨の正確な理解が要求されることになる点に注意したい。

2025年度入試対策・学習アドバイス

関西医療大学の国語の入試に対しては、次の2点を特に意識しながら学習に取り組んでほしい。第一に、現代文の実力を蓄えるには何よりもまず、漢字力、語彙(ごい)力(慣用表現、四字熟語、評論用語など)の習得が必須である。得点源にする意気込みで、問題集やドリルを用いて、日々学習を積み重ねていこう。なお、文学史、あるいは文法の問題の出題に備えて、教科書の巻末や国語便覧、参考書などの内容を、一通りまとめておくこと(海外の作品にも注意しよう)。以上の学習に役立つ問題集として、『ステップアップノート30 頻出漢字と基礎知識』(河合出版)を挙げておく。第二に、内容説明問題の攻略に向けて、評論文の趣旨(筆者が一番言いたいこと)を正確に理解する訓練が必要である。そのためには、記述問題を含む問題集を1冊仕上げておくとよい。その復習の際、以下の2つを実行してみるとよい。

(1)問題文の各段落に段落番号を打ったうえで、その内容を的確に示す小見出しをつけてみる。空欄補充、傍線部説明が求められた場合には、まずその空欄や傍線部を含む段落全体の要旨を丁寧にたどり、答えを探す指針を立てる、というのが手順だが、小見出しをつけることは、その作業にむけてのトレーニングにもなる。

(2)本文全体の要旨を50~100字程度で要約してみる。以上のポイントを押さえたうえで過去問にあたり、記述問題や、難しめの選択問題への対処の仕方を中心に、制限時間内での時間配分法を考えてみてほしい。間違えた問題については、その間違いの原因を明らかにし、自分の弱点を把握したうえで次に進むようにすると、学習の効果が飛躍的に上がるので、心がけてみてほしい。

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