<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

せいせんじょし

清泉女子大学

清泉女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

現代文

2023年度入試の問題分析

A日程の場合、国語は現代文2題に古文1題の計3題で、試験時間は60分。以前は学科ごとに解答する大問や設問に違いが見られたが、2023年度入試ではそうした違いは見られなくなった。一の評論は哲学者の野矢茂樹『哲学・航海日誌』から「意図」について論じた文章が、また二の小説は夏目漱石『それから』から3つの箇所が、それぞれ出題された。小説は年度によって明治・大正時代に書かれた古めのものも、昭和・平成に書かれたものも出題されている。また、本文は前者が2,000字強、後者が4,000字弱となっており、2題を合わせれば標準的な分量だといえる。解答形式は、従来出題されてきた記述説明問題がなくなり、全問客観式となった。また設問についても、例年出題されていた漢字の読み書きがなくなり、空欄補充、語句の意味、傍線部の内容説明や理由説明、本文の内容一致問題など、客観問題として典型的なものとなった。評論、小説とも、難易度としては標準的であるとはいえ、いずれも本文は本格的であり、的確な読解を経ることなくして正解はおぼつかない。

2024年度入試対策・学習アドバイス

語句の設問は共通テストと類似

本文中の語句の意味を選択肢から選んで答える問題が、2題合計で3問出題されている。2023年度で問われたのは「高揚した」「相貌」「紙入」である。このなかでは「紙入」がやや古い語句であり、難しめであろう。ただし、こうした問題形式は大学入学共通テストと同様のものであり、両者で共通の対策をとることができる。頻出語句を集めた用語集で知らない語句を減らしていくほか、普段からこまめに辞書を引くことを習慣づけることが有効である。

本文の内容に基づき解答する訓練を

設問の中心となるのは各種の読解問題である。2023年度入試では、本文の議論において中心的な役割を果たしている概念や、文章各所の内容理解の是非を問う設問が目立った。とはいえ、極度に紛らわしい選択肢が設けられているわけではないので、本文の内容を落ち着いて読み解いていけば正解に到達する設問がほとんどである。ただし、裏を返せば、本文の裏づけもなく自分の勝手な思い込みで答えていては、解答の精度が上がらない。選択肢を読んで、少しでも選択に迷ったら本文に立ち戻って検討するようにしてほしい。そうすることで正解や不正解の根拠が見つかることも少なくないのである。

客観問題中心の問題集で練習しよう

試験に備えた問題演習としては、客観問題を多く収めた、標準レベルの問題集を選んで取り組むとよい。先に述べたように、2023年度入試で出題傾向に変化が見られたとはいえ、本文の難易度や問い方にさほど大きな違いは見られないし、2024年度入試で再び出題傾向に何らかの変化が生じることも考えられるので、過去問演習も無駄と決めつけず、積極的に取り組んでおきたい。ただし、どのような問題で練習するにせよ、解きっぱなしは禁物である。答え合わせをして終わりというのでは実力向上につながらない。解説などを参照し、また信頼できる人に不明な点を質問するなどしながら、なぜ自分が不正解を選んでしまったのか、正解を選びきれなかったのかを解明しよう。そこまでが問題演習である。そうしたことが面倒に思う人もいるだろうが、そうした過程を踏んでいくなかで、徐々にだが確実な読解力が身につくのである。

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