東京理科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
生物
2024年度入試の問題分析
B方式の大問数は創域理工学部が3題、先進工学部が3題(いずれも試験時間は80分)で、2023年度と比べ両学部で変化はなかった。出題形式は両学部すべてマーク式である。出題分野に関して、創域理工学部では1遺伝子(PCR法および遺伝子導入実験・考察)2細胞(ヒトの赤血球・細胞接着・血液凝固・MHCに関する知識、体液循環における酸素供給の計算、免疫に関する考察)3植物の環境応答(植物ホルモンと細胞培養に関する知識、頂芽優勢と側芽と光照射の実験・考察)が出題された。先進工学部では1植物の環境応答(種子発芽・屈性と傾性および膨圧運動に関する知識、幼葉鞘実験・極性と重力屈性の実験・考察、気孔の開閉に関する実験・考察)2タンパク質(アミノ酸の構造と合成に関する知識、トリプトファンオペロンにおける酵素合成の実験・考察)3生殖・遺伝および生態(ウニの受精とヒトの配偶子形成に関する知識、無性生殖とアブラムシの単為発生に関する考察、集団遺伝の計算、社会性昆虫の包括適応度に関する知識)が出題された。C方式・グローバル方式の大問数は7題(試験時間は100分)で2023年度と同様に出題形式はすべてマーク式である。出題分野は1細胞(構成物質と細胞小器官に関する知識、細胞分画法の実験・考察、輸送タンパク質および細胞接着に関する知識)2遺伝子(ラクトースオペロンおよび電気泳動とサンガー法における実験・考察)3生殖・遺伝(伴性遺伝の計算、植物の配偶子形成に関する知識)4動物の体内環境(ヒトの内分泌腺とホルモンおよび血糖濃度調節に関する知識)5動物の体内環境(ヒトの血液循環と酸素解離曲線の計算)6動物の体内環境(ヒトの神経系と脊髄反射・自律神経系・興奮の伝導と伝達および視覚と嗅覚のしくみに関する知識)7進化・系統(地質時代と生物の変遷および進化に関する知識、動物の系統に関する知識)が出題された。B方式では、基礎的な知識を問う出題もあるが、実験結果の分析と考察を行わせる発展的な出題が中心であるが、C方式・グローバル方式では、教科書の範囲内の実験・考察が多くみられる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
B方式とC方式・グローバル方式とでは、めざすべき方向がまったく違う。B方式では知識に加えて、熟成された考察力が不可欠である。C方式・グローバル方式では広範囲で隙間のない知識が必要となる。
新課程の教科書を使う
新課程の教科書では、章末問題や実験・考察に関する問題や解答が記載されている。また、行っていない実験などは二次元コードを読み取り、その内容をリアルに把握することができる。特に高卒生には教科書の購入を薦めたい。
物事を論理的に考える
B方式では「実験考察問題」に対応できなければならない。短い試験時間のなかで「グラフや表の分析」「データの解釈」を手際よく進めていく、物事を論理的に組み立てる能力が必要となる。
時間を意識してバランスよく解く
いずれの方式も試験時間に対して問題量が多いので、問題を解くときに大問ごとに制限時間を設けて問題を解く練習をする。特定の大問に多くの時間を費やすと高得点は望めない。生物だけでは合格できるはずもない。他教科もバランスよく得点できるように学習することも心がけておきたい。