東京理科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
生物
2025年度入試の問題分析
B方式の大問数は創域理工学部が3題、先進工学部が4題(いずれも試験時間は80分)で、2024年度と比べ先進工学部で1題増加した。出題形式は両学部すべてマークシート式である。出題分野に関して、創域理工学部では(1)代謝(呼吸および光合成における電子伝達系に関する知識とATP合成の計算、化学合成反応のイオン式、ツンベルク管を用いた脱水素反応の実験・考察)、(2)進化(真核生物の遺伝的多様性に関する実験・考察と計算)、(3)免疫(自然免疫と適応免疫に関する知識、ABO式血液型の知識と計算、抗体医薬品に関する実験・考察)が出題された。先進工学部では(1)免疫(血液凝固に関する知識、mRNAワクチンに関する実験・考察)、(2)代謝・遺伝子発現と発生(酵素に関する知識、アカパンカビの一遺伝子一酵素説に関する知識、ショウジョウバエの複眼原基の移植実験・考察)、(3)遺伝子発現(体細胞分裂と細胞周期およびDNA量に関する実験・考察、遺伝子組換えと電気泳動に関する実験・考察)、(4)植物の環境応答(転流と貯蔵に関する知識、イネの貯蔵デンプン合成における実験・考察)が出題された。C方式・グローバル方式の大問数は7題(試験時間は100分)で2024年度と同様に出題形式はすべてマークシート式である。出題分野は(1)遺伝子(DNAに関する全般的な知識、体細胞分裂とDNA量に関する実験・考察と計算)、(2)代謝(呼吸の経路とATP合成に関する知識)、(3)発生(両生類の初期発生と原基分布図および母性因子に関する知識と実験・考察)、(4)代謝(吸収スペクトルの実験・考察と計算、光合成におけるカルビン回路の明暗実験・考察と計算)、(5)体内環境(血糖濃度調節に関する知識、ヘモグロビンに関する知識と計算)、(6)遺伝子(トランスジェニック植物の作出に関する知識と実験・考察)、(7)生態(抗体群および物質収支に関する知識、標識再補法の計算)が出題された。B方式では、基礎的な知識を問う出題もあるが、実験結果の分析と考察を行わせる発展的な出題が中心である。一方、C方式・グローバル方式では、教科書の範囲内の実験・考察が多く見られる。
2026年度入試対策・学習アドバイス
B方式とC方式・グローバル方式とでは、めざすべき方向がまったく違う。B方式では知識に加えて、熟成された考察力が不可欠である。C方式・グローバル方式では広範囲で隙間のない知識が必要となる。また、計算問題は必ず出題されるので要注意。
新課程の教科書を使う
教科書では、章末問題や実験・考察に関する問題や解答が記載されており、実験は二次元コードを読み取り、その内容をリアルに把握することができる。教科書に記載されている内容を十分に理解することが、最重要課題である。
物事を論理的に考える
B方式では「実験考察問題」に対応できなければならない。短い試験時間のなかで「グラフや表の分析」「データの解釈」を手際よく進めていく、物事を論理的に組み立てる能力が必要となる。
時間を意識してバランスよく解く
どの方式も試験時間に対して問題量が多いので、大問ごとに制限時間を設けて問題を解く練習をする。特定の大問に多くの時間を費やすと高得点は望めない。生物だけでは合格できるはずもない。他教科もバランスよく得点できるように学習することも心がけよう。
