私立

とうきょうりか

東京理科大学

東京理科大学大学からのお知らせ 入試対策情報

化学

2025度入試の問題分析

全範囲から偏りなく出題されていて、難易度は標準〜やや難である。計算問題が非常に多い。また、選択肢が多く、数値計算の解答形式が独特である。正誤問題がかなり難しく、さらに解答形式が2進法を利用した足し算をさせるなどユニークな形式も複数の学部で散見された。

全学部B方式の時間は80分であるが、大問が薬学部で4題、工学部が5題、理学部第一部で7題、ほかは6題となっていて、量的に多く、質も高いので、時間配分に配慮し、解答スピードをつけて対処する必要性がある。2025年度の出題で目立ったものを挙げておこう。2024年度も『新課程では核酸は必須ではなくなったが、一部教科書では本文に記載があるため、2025年度も出題される可能性は残るので、学習はしておきたい』と記したが、2025年度も薬学部でDNA、RNAが出題された。今後も生化学と理論化学の融合問題などにも注意したい。また、2023・2024年度の工学部などに続き、アレニウスの式の問題が2025年度も理学部第一部で出題された。このように、他学部の過去問を演習しマスターした生徒は有利である。有機化学は、どの学部も脂肪族・芳香族・糖・アミノ酸・タンパク質・高分子計算など知識と計算および試行錯誤が必要な出題が続いている。無機も教科書範囲内の正確な知識の穴埋め問題や正誤問題、理論化学と絡めた計算問題などが出題されている。なお、C方式・グローバル方式は時間が100分で、やや易〜標準問題が多いが、高得点が必要な学部もあろう。

2026年度入試対策・学習アドバイス

全般の傾向は、結晶、反応速度、化学平衡、溶解度、電気化学といった分野での計算問題が多く、化学計算力が必須である。さらに、試行錯誤が必要な思考型問題も多いことが特筆される。

対策①化学計算:化学反応式を用いた計算、濃度計算、電気化学計算、結晶構造・密度計算、溶解度計算、熱化学計算などの種々多様な計算問題が出題されている。基本〜発展問題を含む問題集1冊を自力で適切な時間内で解答が作成できるまで何度も繰り返そう。このとき、単位を式に含んで解説してある問題集を選んでやると効果的である。計算問題を解く際には電卓を用いず手計算で行うこと。

対策②化学反応の理論:中和滴定、pH計算、電離平衡計算、反応速度計算、酸化還元滴定で標準〜発展問題の理解度を高めてマスターしておくこと。

対策③有機化学:天然・合成高分子まで出るので、早めに一通りの学習を終わらせたい。有機化合物は官能基を中心に反応や化学的性質をしっかりとまとめておくこと。また、検出反応は極めて重要なので、特に力を入れて取り組み、試行錯誤が必要な構造決定問題に多く取り組んでほしい。芳香族化合物などは反応チャートを用いて整理して覚え、さらに試薬と反応条件まで押さえること。

対策④最後に過去問題集を演習・研究することは極めて有効な対策となる。特に東京理科大学は標準レベル以上の問題が多いので、過去問を解くことにより、大学が必要としているレベルを肌で知ること、および特徴的な解答形式・出題形式に慣れることが重要である。また、受験する学部学科でなくとも他学部学科の問題もいわゆる「東京理科大学らしさ」があるので積極的に取り組むとさらに効果的である。

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