東邦大学大学からのお知らせ 入試対策情報
化学
2024年度入試の問題分析
医学部はすべてマークシート式で大問3題、小問が22問。理論、有機、無機の全分野より出題されており、難易度は標準。特に理論では酸化・還元、平衡、有機では糖、アミノ、タンパク質は大切だ。
薬学部は、試験時間が80分で、問題数は2023年度と同様に大問4題であった。大問4題中1題がマークシート式で残りの3題が記述式。マークシート式の大問は、小問10問からなり、理学部同様、無機、理論、有機とすべての分野から広く出題されている。なかには計算問題も含まれている。記述式は理論分野、有機分野ともに出題されている。分量、レベルとも標準であり、難問は出題されておらず、高校での学習成果がしっかり発揮できるような内容。
理学部は、A・B日程ともに試験時間が75分で大問3題とも記述・選択式の融合。ただ、大問中に通常の小問くらいのものも含まれているため問題全体での解答時間の不足はないだろう。内容は、無機、理論、有機すべての分野から広く出題されている。知識問題に限らず、計算問題も含まれ、レベルは、高校で学習する基本的な問題ばかり。ひとつの取りこぼしが致命傷となる。
看護学部は問題数は大問18題からなっている。問題数を聞くとすごく多いように思えるが、実際は、大問といっても通常は小問として扱われる問題がテーマごとに大問表記になっているので、イメージとしては小問18問と捉えればよいだろう。
健康科学部は試験時間60分で、すべてマークシート式で全25マーク。看護学部同様に基本レベル。どの問題も高校での学習をしっかり行った受験生にはなじみがあるものばかりで、基礎学力をしっかり身につけてきた学生がほしいという大学の意図がうかがえる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
(理論分野)全学部とも全範囲より出題。なかでも、「気体」「結晶」「熱化学」「コロイド」「中和滴定」「酸化還元」「電気分解」「溶液の濃度」「化学平衝」は入念に練習を重ねよう。教科書の例題などの基本問題を中心に、正確に解答が得られるようにすること。計算は実際に手を動かして、解答を自力で出せるまで行ってもらいたい。薬学部では、計算にまごついていると解答時間内に終わらない可能性があるので注意しよう。
(無機分野)高校での実験で扱う内容を中心に頻出分野をしっかりと自分のものにすることだ。特に注意したいところは「ハロゲン」「アルカリ金属」「アルカリ土類金属」「アルミニウム」「アンモニア」「硫酸」「硝酸」などの性質。また「陽イオンの系統分離」については問題集などにあたっておくこと。
(有機分野)「元素分析」「アルコール」「油脂」「異性体」「フェノール」「アニリン」「天然高分子」「合成高分子」「エーテル抽出」など。そのなかのフェノールについては、ベンゼンからフェノールの合成、そしてそこからサリチル酸、そこからアセチルサリチル酸、サリチル酸メチルの合成。アニリンについてもベンゼンからアニリンの合成、そこからジアゾ化、そこからカップリング反応までは、カードなどにまとめて覚えていこう。さらに有機化学の有名な検出反応についてもしっかりまとめておこう。
(全体について)全学部とも基本に忠実な出題で、受験生に無理を強いる出題は皆無だ。東邦大学は「自然・生命・人間」を探究すると標榜しているとおり、基礎学力をしっかりと身につけた学生を望む。そのとおりの出題となっている。