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※2024年11月時点での情報を掲載中
東邦大学 理学部 物理学科
好奇心と探究心がさらに物理の学びをおもしろくする
物理とは書いて字のごとく、物の理を学ぶ学問です。その範囲は宇宙から物質の最小単位である素粒子まで果てしなく、物質の性質を探求し、応用への道を切り拓く領域まで、多岐にわたるアプローチがあります。東邦大学では学生個々の興味に添えるよう、それぞれの領域の第一線で活躍する経験豊富な教員陣を揃え、最先端の研究施設を用意して待っています。ぜひ、皆さんの知的好奇心、探究心を満たす環境で、「なぜ?」「どうして?」という究極にシンプルな問いと向き合ってみませんか。
物理学を学ぶ
物理学とは、自然界の基本法則を探究する学問。原子よりもさらに微小な素粒子から宇宙までの広い範囲を対象とし、すべての理を解き明かしていきます。先人からの知のバトンを受け継ぎ、最新テクノロジーの進歩にも貢献できる魅力ある学問です。
学びの特長
高校物理から大学物理へステップアップ。
基礎を積み重ねてから本格的な研究へ。
1、2年次は広範な物理学の基本的枠組みを体系的に学び、3年次以降は専門を絞っていくための効果的なカリキュラムを編成。4年次には学生個々が興味を持つ研究室に所属し、本格的な研究へと学びを進めていきます。当学科では「良い教育は良い研究によって支えられる」という理念のもと、幅広い領域にわたる研究室を整備。全教員が精力的に研究を行っており、最先端の研究を肌で感じながら学びを深められます。学内には複合物性研究センターをはじめとする研究設備が整っており、国内外における学外研究も活発に行われています。
2コース制
1、2年次を共通基礎教育期間とし、3年次に「物理エンジニアコース」と「物理ベーシックコース」のいずれかを選択。
物理エンジニアコース
JABEE認定の技術者養成プログラムで、技術士の第一次試験が免除されます。
物理ベーシックコース
必修科目が比較的少なく、他学科開講科目も含め多様な選択科目を履修できます。
1999年11月に設立された技術者教育プログラムの審査・認定を行う非政府団体。この認定プログラムの修了生は国際基準の教育を受けた技術者として認められ、技術士の第一次試験が免除されます。2024年4月現在、物理・応用物理学関連分野でJABEE認定プログラムを持つのは東邦大学を含めて4大学のみです。
研究室PICK UP
研究室PICK UP 1宇宙物理学教室 北山 哲 教授/関口 雄一郎 教授
宇宙には無数の星々が存在しており、その中には太陽のような恒星だけでなく、ブラックホールや中性子星といった極限状態にある天体もあります。そして、さらにそれらが集まって銀河や銀河団などの大規模構造を構成しています。近年、史上初の重力波の直接検出やブラックホールの撮影を成し遂げている分野ですが、宇宙物理学教室では、こうした多様な天体階層がいかに成り立ち、宇宙の進化へとつながっているかという問題について理論的に研究を行っています。
研究室PICK UP 2量子エレクトロニクス教室 金 衛国 教授/中嶋 善晶 准教授
レーザー光源の開発と、レーザーを使って物質の性質を調べる研究を行っています。光ファイバー内でレーザー光を発生する「ファイバーレーザー」技術が強みです。その一例が「光コムレーザー」。通常のレーザーは、単一周波数の単色の光ですが、光コムレーザーは異なる周波数を持った多色のレーザー光を、高い周波数精度で同時に発生できるのが特徴です。この性質を利用し、非接触で瞬時にガス分子の成分を測定できる、小型なガス分析装置の実用化研究も手掛けています。
研究室PICK UP 3物性物理学教室 田嶋 尚也 教授/川椙 義高 准教授
物質にはたくさんの電子が存在しますが、ある物質では電子が動いて電気が流れ、一方で有機物などは電気が流れないという違いが生じます。しかし、今でも電子について解明されていないことはたくさんあり、近年、普通は電気を通さないはずの物質が、ある状況下では電気抵抗がゼロになる、そのような新しい(高温)超伝道体が数多く発見され、注目されています。この研究室ではこうした物質の謎に迫っていきます。
先生&学生による研究紹介!
電子の流れや電流・磁性の慟きなど、物質の中で起こる現象を理論から解明する研究室です。現在、力を入れているのが、磁石が引き起こす現象です。通常の棒磁石ではN極とS極に分かれますが、磁性がねじれているカイラル磁性体など、特殊な磁石に注目しています。その一例が、熱の温度差から電力を生じる磁性熱電効果を応用したもの。電子機器が出す廃熱などを電気エネルギーに変えて回収することができるため、電子デバイスの省エネ化などにつながる研究です。また、近年は物性理論の研究でもAlを利用することが増えていますが、アイデアのひらめきといった部分はAlには難しく人間ならではというのも、おもしろいところですね。
実験が好きなので、実験系の研究室である磁気物性学教室に入りました。現在は、室温CMR(Colossal Magnetoresistance=超巨大磁気抵抗)効果を実現するための研究に取り組んでいます。CMR効果とは物質に磁場を加えることで電気抵抗が大きく変化する現象です。通常、この効果は室温以下の低温で発現しますが、室温以上で発現させることができれば新しい磁性材料への応用が期待できます。それを実現する物質として、ぺロブスカイト型マンガン酸化物と呼ばれる物質系に着目しています。トライ&エラーを繰り返しながら最適な特性を示す合成条件を探っていましたが、ようやく候補物質の目途がついてきました。当たれば大きな成果となる研究なので、実験好きの僕にとっては、充実した毎日です。
最初は宇宙物理に興味がありましたが、高校時代に放射線物理の実験を行う短期プログラムに参加していたこともあり、今の研究に辿りつきました。現在は、原子過程科学教室からの外研制度、量子科学技術研究開発機構(QST)の放射線医学研究所に所属して研究活動を行っています。手掛けている研究のひとつがハンディな蛍光X線分析装置を用い現場でウラン汚染の有無を迅速に見分ける技術の開発です。目指しているのは微量なウランの検出感度の向上で、所属しているグループでは蛍光X線分析としての世界最高レペルの検出感度を実現しています。放射性物質の管理における安全性向上につながり、やりがいを感じています。
ココも注目! 神岡宇宙素粒子研究施設
世界に誇る最先端の施設を見学!
学びを深め、視野を広げる大きなチャンスになります!
東邦大学理学部物理学科では、学生の学びの一助となり、さらなる好奇心を広げるきっかけや物理学の魅力の再発見につながるイベントとして、最先端の研究が行われている施設見学研修を実施しています。2019年度はノーベル賞受賞を支えた施設としても話題になったKamLAND、スーパーカミオカンデ、そして、稼働に向けて最終調整が行われている重力波望遠鏡KAGRAの3施設を見学しました。最先端の研究とはどのようなものかを肌で感じ取ってもらうことはもちろん、実際の学生の研究に役立つヒントを得たり、3年次までに参加すれば研究室選びに役立てられる企画でもあります。学生にとっては視野を広げる、あるいは将来につながる何かを感じ取る貴重なチャンスになっています。
ノーベル物理学賞の受賞により、ニュートリノや重力波への興味が高まっている頃で、まだ大学2年で専門知識は乏しかったのですが、ぜひ見学会に参加したいと申し込みました。この時代にスマホの電波が届かないような山奥で、とんでもないところに来てしまったというのが最初の感想でした。重力波望遠鏡KAGRAは、重力波観測の基点として期待が集まる施設です。見学した2年前はまだ稼働する直前で、坑道の中に入り3kmもある長大な腕の一部に触れることができました。スケールの大きさとここで重力波観測が始まるという事実に感動した思い出があります。一方、スーパーカミオカンデは、内部は純水で満たされていて入れませんが、装置の上部に入らせていただきました。入口に小柴昌俊先生をはじめ著名な物理学者のサインがあることに、研究の歴史や重みを感じて身が引き締まりました。卒業研究は別分野でしたが、神岡鉱山から産出するカミオカイトという鉱物を使った研究に取り組みましたので、何か運命を感じました。
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