<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

かんさいいりょう

関西医療大学

関西医療大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

現代文

2023年度入試の問題分析

前期A日程は、評論2題からなる出題だった。まず問題であるが、大問一では2,600字程度(2022年度とほぼ同じ)、大問二では3,000字程度(2022年度より500字ほど短縮)の文章が出題されている。例年、現代の文化や社会を主題とする文章が出題され、自然科学から言語学、社会科学に至る多様な領域から出題されているが、2022年度同様2023年度も、大問一は言葉、大問二は広義の文化に関する内容だった。大問一は、漢字が便利なツールであることが、文系人間よりも理系技術者に理解されている事情を逆説として語る阿辻哲次の評論『漢字のいい話』。また大問二は、人間の顔の表情がその人物の人柄や心を判断するサインとなる事実に注目する香原志勢の評論『顔と表情の人間学』。いずれも、全体を一貫するテーマを見つけられさえすれば、平易に読み取れる内容になっている。次に、設問形式について見ていくと、漢字問題(書き取りと読み)、空所補充問題、語彙(ごい)力を問う問題(「一所」の後に漢字2字を入れて四字熟語「一所懸命」を書かせる、「大言」から「大言壮語」を連想させたうえでその正しい用法を答えさせるなど)、抜き出し問題、脱落文挿入問題、記述問題(60字・90字)など多岐にわたる。また大問二では、例年どおり文学史問題(選択肢のなかから三島由紀夫の著作ではないもの2つ=井上靖『あすなろ物語』と宮沢賢治『春と修羅』を選ばせる)が出題されている。難易度は標準的といってよいが、その分、本文全体の趣旨の正確な理解が要求されることになる点に注意したい。

2024年度入試対策・学習アドバイス

関西医療大学の国語の入試に対しては、次の2点を特に意識しながら学習に取り組んでほしい。第一に、現代文の実力を蓄えるには何よりもまず、漢字力、語彙(ごい)力(慣用表現、四字熟語、評論用語など)の習得が必須である。得点源にする意気込みで、問題集やドリルを用いて、日々学習を積み重ねていこう。なお、2023年度のように文学史、あるいは文法の問題が出題されることもあるので、教科書の巻末や国語便覧、参考書などの内容を、一通りまとめておくこと(海外の作品にも注意しよう)。以上の学習に役立つ問題集として、『ステップアップノート30 頻出漢字と基礎知識』を挙げておく。第二に、内容説明問題の攻略に向けて、評論文の趣旨(筆者が一番言いたいこと)を正確に理解する訓練が必要である。そのためには、記述問題を含む問題集を1冊仕上げておくとよい。その復習の際、以下の2つを実行してみるとよい。(1)問題文の各段落に段落番号を打ったうえで、その内容を的確に示す小見出しをつけてみる。空欄補充、傍線部説明が求められた場合には、まずその空欄や傍線部を含む段落全体の要旨を丁寧にたどり、答えを探す指針を立てる、というのが手順だが、小見出しをつけることは、その作業に向けてのトレーニングにもなる。(2)本文全体の要旨を50~100字程度で要約してみる。以上のポイントを押さえたうえで過去問にあたり、記述問題や、難しめの選択問題への対処の仕方を中心に、制限時間内での時間配分法を考えてみてほしい。間違えた問題については、その間違いの原因を明らかにし、自分の弱点を把握したうえで次に進むようにすると、学習の効果が飛躍的に上がるので、心がけてみてほしい。

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