<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

こうなんじょし

甲南女子大学

甲南女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

現代文

2023年度入試の問題分析

厳しい時間制約のなかでの情報処理

2023年度一般選抜の国語は60分で大問2題の構成。大問1の現代文は9,000字超の評論が本文として出題。ほぼ例年どおりの本文量であるが、これはほかの一般的な入試現代文の本文と比較すると非常に長大なものだといえる。設問数も多く、例えば一般選抜II日程では大問1の現代文でマーク数は39、大問2の古典も含めた総マーク数は56にも及ぶ。2022年度には総マーク数60、2021年度は総マーク数72、2020年度では総マーク数71の日程があった。設問数は近年減少傾向ではあるものの、マーク総数が50以上の出題のケースも想定しておこう。試験が60分であることを考えると、これは受験生にとって非常に厳しい解答時間である。設問にあたりながら、長大な本文の展開を少しずつ整理していくという情報処理の手際や、選択肢を即断即決していく能力が要求されていると考えるしかない。解答形式はI・II日程はすべてマークシート方式で、Ⅲ・Ⅳ日程はマークシート方式と記述式の併用。本文内容は年度・日程によって多岐にわたるが、標準的な難易度。いずれの日程も基本的な出題構成は例年どおりで、漢字問題、空欄補充が中心だが、2023年度Ⅳ日程は、15字以上20字以内で論述する新たな出題があった。この点には今後とりわけ注意しておくべきだろう。空欄補充問題は、文脈を捉えて適切な語彙(ごい)や、表現を挿入する設問もあるが、副詞、接続詞を補充する設問もある。過去には国語文法、用法を直接的に問う出題もあったので、語彙(ごい)力や読解力だけでなく、文法的な理解といった面も含めて、幅広く「国語」の知識を養成しておきたい。設問一つひとつは知識問題が多く、知っていれば即答できる性質のものも多い。全体読解の設問よりも部分読解の設問がほとんどなので、本文を読みながら、答えられそうな箇所からその都度答えていく作業に慣れておこう。こうした出題形式は他大学と比較すれば類例の少ない形式である。過去問の演習を十分に重ね、試験の本番で戸惑わないよう準備を進めたい。

2024年度入試対策・学習アドバイス

「知識」のもとに、即答できる力を

精緻な読解力だけでなく、語彙(ごい)や国語表現の様々な知識をも数多く要求される。対策としては過去問の演習を中心に標準レベルの私立大学向け問題集を活用し、制限時間を意識しつつ、消去法を用いて選択肢を迅速に片づけていく「情報処理」の経験を数多く重ねておこう。また、演習した問題文を通じて表現や、語彙(ごい)の知識を養う姿勢を持ってほしい。漢字問題も必出。語彙(ごい)の空欄補充も併せて考えると、試験で要求される語彙(ごい)の数は多い。漢字問題集や現代語用語集、国語便覧などにも十全に取り組んでおきたい。「その漢字・語句の意味がどういったものなのか」を平生から意識し、知らなければ辞書を引いて覚えるというような真摯な取り組みも当然必要になってくるはずだ。「思考する」要素ももちろん入試にはあるが、思考の礎となる用語の理解や文法的知識をないがしろにしてはいけない。そうした部分こそが甲南女子大学の入試問題で強く試されている。この試験の対策で培われた語彙(ごい)力や、制限時間内での高い情報処理の能力は大学生活、ひいては社会人になってからも必ず役に立つ。そうした気概を持って受験生諸氏が奮闘してくれることを強く期待する。

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