甲南女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
生物
2024年度入試の問題分析
一般選抜I日程の問題を分析する。試験時間は60分で、大問数は3題(マーク数は60)であった。出題はすべてマークシート方式であり、2024年度は2023年度と比べてマーク数が減少した。大学が発表している出題範囲は「生物基礎」の全範囲、および「生物」の「生命現象と物質」「生殖と発生」「生物の環境応答」であり、「生態と環境」は含まれないので注意しよう。2024年度入試の各大問の出題分野は、〔I〕呼吸と発酵、〔II〕遺伝子、〔III〕植物の環境応答であった。生物基礎分野からの出題がほとんどなかったが、生物基礎分野からの出題が多い年もあるので、出題範囲は全体的に学習しておこう。教科書に記載されている内容に準じた標準的な知識問題が中心であるが、計算問題や実験考察問題も含まれる。〔II〕では制限酵素の認識配列に着目した遺伝子組換えに関する考察問題や遺伝子突然変異に関する考察問題、〔III〕では光発芽種子と暗発芽種子に関する考察問題が出題された。これらの問題には得点差がつくところである。2024年度は出題がなかったが、計算問題が出題されることが多いので、しっかり対策しておこう。
2025年度入試対策・学習アドバイス
教科書を開こう
当然のことながら、問題作成の基準となるのは教科書であり、教科書に記載されている内容が出題される。参考書、問題集、資料集など、学習のツールは様々なものがあるが、まずは教科書を開くことから始めよう。始めたばかりのときは要領を得ないかもしれないが、一歩ずつ進めよう。ひとつの分野を細部まで完璧にしてから次の分野に進むよりも、どんどん次の分野に進めるほうがよい。
出題範囲に注意し、知識の抜けがないようにしよう
大学が発表している2025年度入試の出題範囲は「生物基礎」の全範囲と「生物」の「生物の進化」「生命現象と物質」「遺伝情報の発現と発生」「生物の環境応答」までであり、「生態と環境」は範囲外である。しかし、「生物基礎」は全範囲が出題範囲なので、生態関連の分野でも植生の遷移やバイオームの分布、生態系などの内容は出題される可能性がある。また、「生物の進化」については、旧課程では範囲外であった内容が多いため、過去問では練習することができないので、対策を忘れないようにしよう。
まずは標準的な知識を頭に入れよう
例年、文章中の空欄補充問題が多く出題され、全体的に生物用語などを尋ねる問題が多い。このような知識問題で失点すると高得点は望めないので、標準的な知識をしっかり定着させることが重要である。マークシート方式だからといって、「聞いたことがある」「なんとなく知っている」という状態では、高得点を取るのは難しい。教科書にゴシック体で書かれている重要語句を中心に、易しめの問題集で実際に解答しながら幅広く知識を定着させよう。正答率の高い問題を落とさないことが合格するための必須条件である。
頻出の計算問題の練習をしよう
例年、様々な分野の計算問題が出題される。頻出の計算問題は差がつきやすく、合否を分ける問題となる。限られた試験時間のなかで、条件を正確に読み取り、式を立て、計算間違いをせずに解答にたどり着くのは難しく、普段の練習量がものをいう。呼吸や光合成についての計算問題、神経の伝導速度の計算問題、遺伝子頻度の計算問題、分子系統樹の計算問題などは、繰り返し練習して早めに攻略しよう。