私立

けいおうぎじゅく

慶應義塾大学

慶應義塾大学大学からのお知らせ 入試対策情報

英語

文学部

2014年度以降、大問1題という出題形式が続いており、2017年度に2,200語を超えて過去最多となったが、ここ3年についても2,000語超の英文が出題されている。設問は、「英文和訳・内容説明・和文英訳」といった文学部の定番といえるものが中心を成している。英文量が多く語彙(ごい)レベルも高いので、これを読みこなすには単なる知識だけではなく、論理的な思考力と論旨を正確に読み取る力が要求される。ただし、下線部和訳の対象になっている箇所は構文上のポイントが明確であるし、和文英訳も本文中の表現を利用して書くことができる(2024年度は本文の内容に即した英問英答形式に変更された)。合否の決め手となるのは内容説明で、2024年度は「50字以内」と「100~120字以内」の2問が出題されている。

過去問で出題傾向を熟知する

文学部の出題には一貫したポリシーがあり、設問形式に関しては独自のスタイルが定着しているので、過去問を数多くこなして、設問の狙いやレベルを把握し、設問ごとの時間配分といったものに留意する必要がある。

大局的に読み通す力が試される

入試では珍しく辞書の使用が認められているが、闇雲に未知の単語を引きまくるのは時間の無駄だ。どの単語を辞書で引くべきであるかは、全体の流れを把握したうえで決まってくる。個々の単語や一文一文にとらわれることなく、大局的に長文を読み通す力が試されているので、日頃からそのような読み方に習熟しておくことが必要である。

記述対策は万全に

下線部和訳や英作文は、設問のレベルそのものは標準的であるものの、文脈を正確につかんだうえで、訳語などを決定する必要があるので決して侮ってはいけない。また、100~120字の内容説明問題では、制限字数内でどこまで具体的に、しかも過不足なくまとめることができるかがポイントとなる。英文の該当箇所に比べて、日本文の制限字数が少なめである場合もあるので、鍵となる表現を中心に、要点のみを簡潔かつ明瞭にまとめる工夫が必要となる。

医学部

2019年度以降、大問4題(読解総合3、自由英作文1)の出題が続いていたが、2022年度からは読解総合が1題減って、大問3題の構成になっている。2024年度は英文量が300語程度増えて約1,900語となり、やや難化したといえる。自由英作文は意見論述型の形式で、「公共の場でのマナーの悪い事例」(2019年度)、「機械と医師、テクノロジーと医療」(2020年度)、「在宅勤務に向かう流れ」(2021年度)、「望まれる慶応大学医学部の学生像」(2022年度)、「日本の若者が留学しない理由」(2023年度)、「カンニングした宿題」(2024年度)といったテーマについて100語程度で表現するもので、英作文ではほかに、長文中の一部を日本語にしてそれを英訳させるものが出題されている。

過去問で出題傾向を熟知する

出題形式に多少の変更はあるが、記述式問題を中心にした国公立大学型の設問が多いほか、医学部独自のスタイルの設問も含まれるので、まずは過去問を通して、設問の狙いやレベル、時間配分といった受験のノウハウを身につけることが何よりも大切である。

高度な語彙(ごい)力に基づく正確で緻密な読解力を養成する

例年受験レベルを超えた語彙(ごい)が半ば意識的に試されている。英文は医学・科学系の論文や時事問題を中心に社会的に関心の高いテーマを扱ったものが多く、高度な語彙(ごい)力に裏づけされた正確で緻密な読解力を養成することが不可欠で、インターネットなどを利用して英文の新聞や雑誌の記事を数多く読みこなし、論理的な読み方に習熟しておくことが必要である。

柔軟な言語運用能力が試されている

和訳・英訳や内容説明は、いずれも語彙(ごい)や構文など難解なものを含んでおり、文脈を正確につかんだうえで訳語などを決定する必要がある。和文英訳では、問題文の趣旨を的確に理解し、英語として自然な表現になるように工夫する必要がある。自由英作文については、状況を説明するものや自分の意見を主張するものなど、様々なテーマを設定して100語程度の英文に的確にまとめる訓練を十分に積んでおくこと。

看護医療学部

試験時間90分に対して大問7題という構成が続いているが、大問ごとの出題形式にはこれまでいくつかの変化が見られた。2018年度から段落整序に代わって、「2文字目・3文字目と品詞と訳語が与えられた英単語の1文字目を答える」という独自の形式の語彙(ごい)問題(大問V)が出題されている。また、2021年度からは長年にわたって出題されてきた自由英作文(与えられたテーマについて自分の意見を100~150語で書く形式)が姿を消して、英文中での語句整序が出題されている。さらに、読解総合の1題も英文中の正誤判定に変わり、下線部和訳は出題されていない。2021年度以降は4年連続して同じ出題形式となっており、記述式の設問が出題されていた2020年度までと比べると、全体的に取り組みやすくなったといえる。

確実な文法力と正確な語彙(ごい)運用力を身につける

大問Iの文法・語法問題では空所補充型の「適語選択」が20問と数多く出題されるのが特徴的で、なかでも時制や態など動詞に関連したものが多い。大問IIIの文補充(300語程度の英文中に空所が6つあり、4つの文を補充するもの)、および大問IVの文整序(段落内の4つの文の順序を答えるもの)は看護医療学部の定番といえる。読解問題として分類しているものの、文法・語法や語彙(ごい)に関する知識が求められているので、正確な文法力と語彙(ごい)運用力を身につけておくことが大切である。

過去問で独自の設問形式に習熟する必要がある

正誤判定問題になった大問VIは、英文中の5つの単語の中に文脈上不適切な語が3つ含まれており、正しい場合にはZを、誤っている場合には、与えられた10の選択肢から代わりとなる正しい語を選ぶもので、文法的というよりは、内容的に正しいかどうかが解答の決め手になる。語句整序問題になった大問VIIは、整序した英文のなかの5ヵ所をマークする形式で、整序する文には和文が与えられている。どちらの大問も長文を素材にしており、文脈を踏まえた解答作業が前提となるので、十分な対策が必要である。

法学部

大問5題の構成に変化はないが、大問Iは年度によって形式が異なることが多い。2024年度の大問Iでは、2023年度に出題された「与えられた2つの単語を用いて別の単語をつくる」ものと、新傾向の「短文を用いた空所補充(イディオムが中心)」という2種類の語彙(ごい)問題が出題されている。英文量は長文3題の合計が2,000語程度であるが、正解の判定に悩まされる設問や選択肢も含まれているので、細部にまで注意を払いながら解いていく必要がある。

読解総合は選択肢もすべて英文であることを考えるとかなりの速読力が要求される。パラグラフごとに内容を問うものなど、出題の意図や設問形式に留意しつつ、内容を的確に把握する訓練を積み、効率のよい解き方に習熟しておく必要がある。独自の形式で問われる大問Iは、まずは英語で書かれた設問の指示を正確に理解してから問題に取り組む必要があり、多様な形式に慣れておくことが大切である。定番の語義問題(大問II)や会話文問題(大問III)では、過去問を通して、設問のレベルだけでなく、品詞の違いや慣用句などに注目して選択肢を絞り込むといった手順を習得しておくことが望ましい。

経済学部

2015年度以降、大問5題(読解総合3、英作文2)の構成が続いていたが、2023年度から「会話文形式の和文英訳」が出題されず、その代わりに、大問IIIの英文に関する日本語で書かれた論評を読み、その2つに関する英語で書かれた内容一致形式の4つの設問に答えるものが出題されている。解答形式は自由英作文のみ記述式で、長文問題の内容に関連するテーマについて、自分の考えを150~200語で論じるものである。

長文3題は合計で2,400語程度と分量が多く、速読力の養成は不可欠である。英文自体の難度はそれほど高くはないものの、設問の選択肢も含めると相当な分量の英文を読むことになるので、迅速かつ正確に内容を理解する力が要求される。英文は社会問題を扱った論文や時事的な記事が出題されることが多いので、この種の英文を新聞や雑誌などで読み慣れておくとよいだろう。「問題文I~IVを基にして、自分の意見を英語で書く」という独自の形式で課される自由英作文では、本文の内容を理解したうえで、自分と異なる見解に反論しつつ、本文を引用しながら、平易な英文で的確に自分の意見を表現する練習を積むことが不可欠である。

商学部

2020年度から大問が1題増えて大問8題(長文読解3、中文内容一致1、文法・語法2、語彙(ごい)2)の出題が続いており、全体的な分量や難易度にも目立った変化はない。解答形式はマークシート方式がほとんどだが、語形変化を伴う記述式の空所補充問題が例年出題されている。大問数は多いものの、難易度は標準レベルで、英文も読みやすいものが多く、分量的にも妥当なものといえる。

長文は3題とも内容一致型の設問が中心で、総じて英文は読みやすく、標準レベルの読解力があれば十分に対応できる。それゆえ、不注意なミスを減らすように、本文と選択肢を照らし合わせながら読み進めていくといった緻密な読み方の訓練は必要であり,それによって効率よく解答することができるようになるだろう。読解問題が中心ではあるものの、文法・語法問題も数多く出題されるので、過去問や問題集などでの演習を通して、基本事項(特に動詞の語法)に関する知識を確実に習得しておく必要がある。また、商学部の定番問題である記述式の語彙(ごい)問題では、動詞の活用や派生語などを正確に覚えて、単語を正しくつづれるようにしておくことも大切である。

理工学部

2024年度は大問5題の構成に戻ったが、2023年度の大問4の2問が独立した形といえる([1]の要約問題は1年限りで姿を消し、代わりに語彙(ごい)問題が出題されており、[2]で出題された和文英訳が大問5として出題されている)。解答形式は、大問5以外はマークシート方式。英文量は長文2題の合計が1,350語程度で妥当な分量だが、大問4の語彙(ごい)レベルは高い。

大問1と大問2の読解総合では、設問形式が空所補充や同意表現選択のほかに、内容一致型の設問など多岐にわたっており、迅速かつ正確に論旨を把握する力を養成する必要がある。設問の語彙(ごい)レベルが高く、選択肢も紛らわしい場合があるので、過去問を通して出題者の狙いがどこにあるのかを把握しておくことも大切である。大問3の会話文では、口語表現だけでなく、ことわざのような言い回しや慣用表現も設問の対象となっており、会話文の内容を踏まえた英文(2022年度「リスナーの感想文」、2023年度「女性からのメッセージ」、2024年度「男性の日記」)による出題は特徴的である。2年連続して出題された和文英訳については標準的なレベルでの問題演習をこなしておく必要がある。

総合政策学部・環境情報学部

両学部とも長文2題という形式が長年続いていたが、2016年度から長文3題の構成が続いている。ただし、全体で「空所補充40問」と「内容一致20問」という設問の形式や数は同じで、英文の総語数にも大きな変化はない。60問すべてが客観式の設問であるが、選択肢を含めると英文量が非常に多いうえに難度も高いので、120分の試験時間とはいえ、効率よく解いていかないと時間切れになる恐れがある。そうした意味でも、設問の狙いや語彙(ごい)レベルに習熟するのに過去問対策は欠かせない。

語彙(ごい)レベルの高さに圧倒されないこと

2024年度の英文のテーマは、総合政策学部が「フリーランスという働き方」「礼儀作法の重要性」「ファストファッション業界の搾取的構造」で、環境情報学部が「誤植が発生する理由」「荒廃していく自然環境」「人間の寿命」であった。例年、最新の人文科学や自然科学の話題を扱った抽象度の高い論説文や記事が出題されており、高度な語彙(ごい)力に裏づけされた正確で緻密な読解力を養成することが不可欠である。設問形式は定着しているので、過去問を中心に同程度の難度の英文を数多く読みこなし、語彙(ごい)力の増強に努めることが大切である。一般常識や背景知識の豊かさも大きな武器となるので、日頃から社会情勢や時事問題に関心を持ち、新聞や雑誌の記事を読み慣れておくことが望ましい。

迅速かつ的確な処理と判断が求められる

両学部とも3題合わせて2,500~2,900語程度の英文を読むことに加えて、内容一致の選択肢もすべて英語で書かれていることを考えると、何度も読み返す時間的な余裕はないだろう。本文を読み進めながら空所を埋めていき、段落ごとに該当する内容一致を解いていくのが効率的な解き方といえる。空所補充には平易なものも含まれているので、素早く判断して時間をかけすぎないようにしたい。配点を考えると内容一致の出来が合否を左右すると思われるので、本文の内容と選択肢とを丁寧に読み比べていけるような時間配分にしておく必要がある。

薬学部

2019年度以降、記述式の設問が大問ごとに1問(計3問)出題されていたが、2024年度は2問になった。また、2023年度に姿を消した大問IV(大問I~IIIの英文に関する内容一致問題)は2年連続して出題されず、読解総合3題という大問構成に変化はなかった。長文3題のワード数は年度によって差があるものの英文量は多い(ここ4年は「約2,400語→約2,600語→約2,400語→約3,200語」で推移している)。英文の難度が高いうえ、選択肢もすべて英文であることを考えるとかなりの読解力が要求される。設問は、同意表現選択、空所補充、指示対象選択、内容説明、内容一致・不一致などが中心で、同意表現選択では、文脈が正確に把握できているかどうかが試されている(設問の対象となっている語句や選択肢にやや難度の高いものも含まれている)。また、内容一致には「本文に述べられていないもの」や「推論できるもの」といった設問もある。

自然科学系のテーマを扱った英文が多い

過去の出題形式に共通していえるのは、標準以上の読解力と語彙(ごい)力が要求される設問が多いということである。英文量が多く、2024年度は3題とも1,000語程度の長文での出題となっている。英文のテーマは、心理学や医学やテクノロジーに関するものなど、自然科学系の英文が多く出題されているので、日頃からインターネットなどを利用して英文の新聞や雑誌の記事を数多く読みこなし、語彙(ごい)力を充実させておくことが望ましい。

過去問で独自の設問形式に習熟する必要がある

2015年度から設問の指示がすべて英文になっており、設問の形式や出題の狙いなどにも習熟しておく必要がある(特に2019年度から出題されている記述式の設問では、英文での指示の内容を理解するのに苦労するものもある)。文の趣旨を選ぶ問題、推測できる内容やタイトル・要約文を選ぶ問題などが出題されることもあるので、語彙(ごい)力の拡充に加えて、英文の内容を整理しながら読み進めていくといった的確な文脈把握力を養成することが大切である。

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