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じっせんじょし

実践女子大学

実践女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報

現代文

2024年度入試の問題分析

実践女子大学の入試はI期(A日程・B日程)・II期があり、ここでは一般選抜I期A日程を分析する。2022年度までは長らく大問4題の出題形式であったが、2023年度から評論文、小説、文章を読んで答える文学史の大問3題に変わり、2024年度も同様であった。問一は今井むつみの言語論5,300字で、設問は漢字、語彙(ごい)説明、空欄補充、傍線部説明、内容一致など13問。問二は村上春樹の小説3,500字で、設問は空欄補充、傍線部説明、語彙(ごい)説明など8問。問三の文学史問題は1,200字で、設問は作家や作品を答えるもので7問。2022年度から語彙(ごい)問題が増え、その傾向は2023年度、2024年度も続いている。難易度は評論がやや難でほかは標準レベル。解答はすべてマークシート方式。

2025年度入試対策・学習アドバイス

言葉の意味を理解しよう

小説では過去に「手玉には取れぬ」「ほぞをかんだ」、2024年度は「不条理」の意味が問われた。評論文でも2023年度に「不毛な議論」「見える化」「パラダイム」などの言葉の意味理解を前提とした設問があり、基礎的な語彙(ごい)力を問う傾向が強いので、こうした点を意識した学習が必要となる。日々の学習のなかでわかっていると思っている言葉でも、あらためて自分で問い直しネット辞書でもよいのでしっかりと確認しておこう。外国語と違って日本語だから何となくわかるという考えは、現代文では一番危険である。日本語語彙(ごい)の基本は漢字にあるので、ネットの漢和辞典などで漢字一字一字の意味を正確に学び、その漢字が構成する熟語や四字熟語も理解しておくとよい。2022年度では「啓蒙」の「啓」の字が問われたが、「啓蒙」の意味は「蒙」=くらい(知識がなく暗い状態)を、明るい所へ「啓」=ひらいていく(理性によって明らかにしていく)という意味で、英語のenlightenmentを漢字に訳した語である。重要な漢語の対義語(具体←→抽象、特殊←→普遍)や類義語、関連語(捨象→抽象化→一般化→普遍化)も意識して理解していくと、文章中の対比や言い換えがわかりやすくなり読解力が向上し、速読もできるようになるのでぜひ試してほしい。ニュースなどで頻出する現代的なタームも調べておくとさらに効果的だ。

文章を図式化してみよう

5,000字を越える長文の読解問題が出題されているので、長めの問題文が載っている共通テスト対策などの問題集を利用して、文章の流れを把握する学習をしよう。読み始める前に、まずこの文章はどんなテーマについて、どのように書かれているのかを意識する。漠然と読むと文章は読めない。テーマを把握できてきたら、それに関わるキーワード、キーセンテンスを見つけて線を引き、その箇所をノートに書き出してみる。書き出したものを、対比・言い換え・因果関係などで整理し図式化してみよう。すぐにはできないだろうが、文章の解説がしっかり図解されている問題集を参考にして練習を重ねていくと、重要箇所だけを素早く読めるようになる。

文学史もしっかり学ぼう

大問1題が文学史問題で配点も高いので文学史の学習も欠かせない。自然主義から戦後の現代文学に至る文学史の流れと、主要な作家、作品をノートに整理して理解しておこう。

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