聖心女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
英語
2025年度入試の問題分析
ここでは3教科A方式の問題を分析する。読解総合問題が中心であり、番号で解答するマーク式の設問と和訳や英作文のような記述式の設問が併用されていることは例年どおりである。全体的には標準レベルだが、本文中の単語やフレーズを英語で適切に言い換えたものを選ぶ問題と、本文中の空所を埋める問題が多く出題されており、本文の論旨展開に沿って「文脈を踏まえた単語やフレーズの意味の推測」「矛盾のない展開になるような空所内容の推測」を正しく行うことができるかが問われている。また、大問Ⅱでは30行を超える長い会話文の内容をまとめた要約文の空所補充問題も出題されており、会話の概要を把握したうえで、その展開に合致する単語を選ぶという応用力が試されている。さらに、大問Ⅲでは本文のテーマに関連した自由英作文も出題されるので、豊富な語彙・文法知識を前提とした英語表現力まで養成する必要がある。したがって、小手先の裏技などではなく、英語の総合力をバランスよく高めていくことが不可欠だといえるだろう。
2026年度入試対策・学習アドバイス
語彙力対策はイメージ作戦で
読解でも英作文でも、すべての基礎となるのが語彙力である。本文中の語句を英語で言い換える問題が多いので、単語集に載っている訳語を丸暗記するのではなく、「この単語はこういうニュアンスだ」というイメージで認識しておこう。また、下線部の単語を指示された品詞に変えて書く問題(例:inspireを名詞に)も出題されるため、関連語も含めて綴りまで正確に覚えておく必要がある。短期間で語彙力を劇的に上げるのは不可能なので、日常生活のなかの隙間時間を有効活用してコツコツ対策しよう。
速読と精読を区別せよ
合否を分ける最大のカギは読解力である。聖心女子大学ではマーク式の選択問題だけでなく和訳問題も出題されるので、読解問題集で様々な出題パターンに慣れておこう。内容一致問題では、共通テスト対策と同様に、細かい部分にはこだわらず本文の要旨を大まかに把握するという速読スキルが求められている。一方、和訳問題では、個々の単語をそれぞれ日本語に変換してフィーリングでつなぐのではなく、英文構造を精密に分析したうえで、その構造に沿って訳出するという精読スキルが求められている。この両者を明確に区別して、混同しないようにしよう。
英作文対策は添削指導で
本文内容に関連したテーマで60語程度の英語を書くという形式の英作文が毎年出題されている。書きたい内容の漠然としたイメージは頭に思い浮かぶだろうが、実際に英語で書くとなると相当な訓練が必要である。とにかく自分で書いてみることが先決だが、自分の書いた答案が合格レベルに達しているかを判断するのは難しいので、定期的に添削指導を受けて問題点を指摘してもらうとよい。そうすれば、自分の弱点が明確になるので、単複・冠詞・時制のような文法ミスが減るだけでなく、論旨展開のような英作文に必要なスキルが徐々に身についていく。推奨したいのは、文法問題集の並び替え問題を重点的に解き、正しい英文を何度も音読したり書いたりしてなじませることだ。文法ポイントの確認になるばかりか、正しい英文を書く訓練にもなるので、英作文でも大いに役に立つだろう。
 
        

