東京理科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
物理
2024年度入試の問題分析
出題範囲は「物理基礎」と「物理」である。出題形式は空所補充形式で選択式。解答形式はマーク式である。試験時間は、昼間全学部統一のC方式およびグローバル方式入試の100分を除き各学部のB方式入試すべてが80分である。大問数は、理学部第一部と先進工学部が4題、それ以外の学部が3題なので、1題多い理学部第一部と先進工学部は、スピーディーに解答を仕上げる計算処理能力も要求される。出題分野を「力学」「波動」「電磁気」「熱力学」「原子」の5つに分類すると、各学部で「力学」と「電磁気」はほぼ出題され、残り1題もしくは2題は「波動」「熱力学」「原子」のいずれかが出題されている。「電磁気」分野については、さらに〈電気〉と〈磁気〉に分けられ、〈電気〉なら電気回路を中心とした内容、〈磁気〉なら磁界中の帯電粒子の運動や導体棒に発生する誘導起電力などの〈電気〉もしくは〈磁気〉のそれぞれの内容に偏った範囲で出題される傾向がある。ただし、〈磁気〉においてコイルを含む場合は、交流回路に関する出題もある。なお、昼間全学部統一(C方式・グローバル方式)だけは2016年度まで大問3題がそれぞれ小問集合的な形式の出題だったが、2017・2020年度が6題、2018・2023年度は5題、2021・2022年度は4題、そして2019・2024年度は再び3題となるなど、大問数は増減する傾向にある。
2025年度入試対策・学習アドバイス
難易度別の対策
全学部とも難易度は一般的にやや難の問題が多い。基本レベルの問題対策は、共通テスト(旧センター試験も含む)の過去問を基礎固めとして解き自分の穴をチェックするとよい。難問対策は、既存の問題集のなかに見慣れない問題がまれにあるので、そのような問題を通して誘導形式に沿った空所補充ができるようにしておこう。特に、難易度が難であるものほど解法のうえでは基本的法則の理解が不可欠なだけに、単なる公式の丸暗記だけをすることは避け、教科書・参考書を用いて、その法則と公式の成り立ちをよく読んできちんと理解を深める作業から始めよう。
分野別の対策
「力学」分野を通して、まず、力はベクトル量と意識しながら、運動の3法則との関係もしっかり押さえ、同時に、加速度もベクトル量という認識のもとで円運動や単振動における公式の成り立ちもしっかり確認をする。次に、仕事とエネルギーのスカラー量との関連性を再確認しながら難問の空所補充を埋めていけるような理解力と解法を身につけておこう。また、作用・反作用の法則も常に念頭に置き、力積と運動量の関連性や運動量保存則を用いる際には、その意義をしっかり踏まえて解答を作成することも重要な点である。このような作業を繰り返していけば、見慣れない問題であってもその場で解法に気づく能力が養われるので、積極的にこの学習法を進めてみよう。分野の鍵を握る「力学」の仕上がり次第で、「電磁気」や「熱力学」の分野の理解も深めるきっかけになるので、この点をしっかり留意して学習に取り組もう。また、「波動」分野は公式を数式の変形だけで捉える学習は避け、「電磁気」や「熱力学」も含め、物理現象をできるだけ頭のなかでイメージしながら考察していく習慣も心がけよう。以上のような作業で理解度が高まり、解答作成の処理も素早くなっていくので頑張ろう。