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生物
2021年度入試の問題分析
記述式および選択式で、2021年度特待生チャレンジ試験(以下「チャレンジ」)は6題26問(解答欄は計60)であった。2020年度I期A日程(以下「IA」)は6題23問(解答欄は計77)、2019年度IAは6題27問(解答欄は計83)であったから、小問数はほとんど変わらない。チャレンジはIAに比べて解答欄数が少ないが、記述問題の難易度などから考えると、解答に要する時間はそれほど変わらない。字数指定の記述問題が、2021年度チャレンジで2問(80字以内、40字以上50字以内)、2020年度IAで4問(それぞれ70字以内、110~130字、30~40字、5~10字)出題されている。
分量は試験時間に対してほぼ適正である。
2021年度チャレンジは細胞(顕微鏡操作、細胞内共生説)、体液(循環、血液凝固)、代謝(酵素、ATP、光合成、呼吸)、動物の発生(卵割、ウニの発生)、遺伝子(ゲノム)、生殖(減数分裂、性染色体)、生態系(物質循環、地球温暖化)の分野から出題された。2020年度IAは遺伝子(DNA、RNA、ゲノム)、体内環境の維持(免疫)、生態系(炭素の循環、地球温暖化)、代謝(光合成)、細胞(細胞小器官)、動物の環境応答(神経の興奮)、動物の発生(核移植実験、ES細胞とiPS細胞)、生殖(減数分裂、動物の配偶子形成)、2019年度IAは生殖(細胞分裂の観察、細胞周期)、細胞(細胞小器官、細胞内共生説)、遺伝子(DNAの構造、遺伝情報の発現、ゲノム)、生態系(物質生産)、動物の発生(誘導)、動物の環境応答(耳)、植物の環境応答(植物ホルモン)の分野から出題されている。全体的にみて出題に偏りはない。
すべて入試の基礎~標準的なレベルの問いであり、取り組みやすい。
2022年度入試対策・学習アドバイス
教科書で基本知識を繰り返し確認しよう
高校教科書の知識が、各分野から幅広く出題されているので、まんべんなく知識を確認しておく必要がある。知識に不安を感じる分野があれば、十分な時間を割いて高校教科書を繰り返し熟読しておくとよい。用語の確認には、教科書の巻末にある索引を活用するとよい。何度も目を通して知らない用語がないようにしておくのである。参考書などを用いた学習は原則として不要である。
基礎~標準レベルの問題集で問題演習しよう
すべて入試の基礎~標準レベルの出題であるから、あまり難しい問題集を演習しても効率的な学習はできず、効果は期待できない。「中間・期末試験対策」と銘打った基礎~標準レベルの問題集の方が知識の確認にも役立つので、まずはこのような問題集を徹底的に演習する方がよい。1冊の問題集を、誤った問いや不安のある問いに印をつけながら、全分野を通してやや短い期間で演習し、印をつけた問いを教科書で確認しながら再度演習すると効率よく問題演習ができる。余力があれば、2冊目、3冊目…と進めてもよい。
標準レベルの入試問題集にチャレンジしよう
記述問題の対策としては入試問題集を解くことをおすすめする。あまり難しい国公立理系用の問題集を演習する必要はなく、標準レベルで問題数のそれほど多くない入試問題集がよい。学校用問題集も手元にあれば役に立つ。過去問の演習も過去3年分ほどやっておきたい。