日本福祉大学大学からのお知らせ 入試対策情報
数学III・B
2024年度入試の問題分析
2024年度の一般入学試験【前期日程】の出題形式は、全問記述式である。大問I、大問IIは共通問題で、大問IIIと大問IVからいずれか1題を選択して解答する3題構成であった。
大問Iは連立2次不等式の問題である。小問3問で構成されており、小問1、小問2でそれぞれ2次不等式を解き、小問3で連立2次不等式の解を求める。一方の2次不等式の解に無理数が含まれるが、大小関係はわかりやすい。
大問IIは三角形の面積を求める問題である。最初に与えられる条件が辺AB、辺ACの長さと角Bの大きさなので少し工夫が必要になるが、丁寧な誘導がついているので迷うことはないだろう。
大問IIIは5個のサイコロを同時に投げたときの出る目の積に関する問題である。小問2問で構成されているが、いずれも余事象に着目する必要があり、小問2ではド・モルガンの法則を用いた計算が必要になるため、経験がないと難しいと感じる受験生も多いだろう。
大問IVは小問2問で構成される小問集合である。小問1は数列の和から一般項を求める問題、小問2は数学IIIの楕円の接線を求める問題であった。
共通問題は数学Iから、選択問題は数学III、A、Bからの出題である。いずれも教科書の例題などで見られる頻出問題とその応用問題であり、計算ミスなどに気をつけて丁寧に解けば、十分に高得点が狙える試験である。
2025年度入試対策・学習アドバイス
基礎力をつけよう
まず、基本レベルの典型的な問題を確実に解くための基礎力をつけよう。教科書を徹底的にマスターすることを心がけてほしい。
教科書をよく読んで基本事項を理解し、例題や練習問題を自力で解けるようになるまで繰り返し練習しよう。公式はただ暗記するだけではなく、意味や成り立ちを理解し、問題を解きながら使い方を身につけていってほしい。また、例題を解く際には、解法を丸暗記するのではなく、解答の考え方や流れをきちんと理解・整理したうえで、自力で答案を書く練習をしよう。普段から問題を解く際には、単に答えが出ればよしとするのではなく、答案としてきちんとまとめて記述することが重要である。答案をまとめる過程で考え方が整理され、論述力を養うことができる。
また、教科書の章末問題や、教科書傍用問題集の基本~標準レベルの練習問題にも意欲的に取り組んでみてほしい。やや発展的な問題を解いてみることで、自分が基本事項をきちんと理解できているかどうかを確認することができる。基本事項や公式の理解が不十分だと感じた場合は、もう一度教科書の例題や基本問題に戻って内容を確認しよう。
計算力を養おう
問題を解く際には計算を省略せずに丁寧に書き、正確に行う訓練を積もう。また、計算はできるだけ工夫して、計算量を減らすことを意識して練習しよう。問題を解き終えた後は解説をよく読んで、答えが合っていた場合でも、計算に工夫の余地がなかったかどうかなどを確認してほしい。
過去の入試問題を研究しよう
過去問を解いて、傾向や難易度を把握しておくことは不可欠である。
小問による丁寧な誘導がついているので、過去の入試問題を通じて、設問の意図を理解し、それらを利用して後半の設問を考える、という訓練を積んでおくとよいだろう。