大阪医科薬科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
生物(医学部)
2025年度入試の問題分析
大問は2024年度と同じ4題で、例年どおり、基本的な知識をたずねる設問、理解度を確かめる論述、そして実験データを読み取る考察題を含む問題が出題された。標準的な内容が多く、大阪医科薬科大学の受験者層を考えると、高得点を狙える出題である。高校で学習した内容をしっかり理解し、特にヒト関連のテーマについて丁寧に学習しておけば得点できる入試問題である。私立大学の医学部としては論述問題が多く、2025年度は、「ミオグロビンとヘモグロビンの立体構造の違い」「虹彩と瞳孔のはたらき」「老眼が起こる仕組み」「水深が深くなると純生産量が0になる理由」を説明させる問題などが出題された。また、実験データを読み取る考察型の問題も出題される。実験データは非常にコンパクトなもので、図からわかることをそのまま説明させるような問題が多い。設問の問いかけに合った、的確な解答が必要である。2025年度は、酸素解離曲線からミオグロビンの性質を考察する問題や、ストリゴラクトンの合成と変異体に関する実験考察問題、生態系ごとの純生産量に差が出る理由を考察する問題が出題された。計算問題の出題頻度も高く、2025年度は酸素解離曲線の計算問題が出題された。
2026年度入試対策・学習アドバイス
問題演習を積もう
近年の大阪医科薬科大学の生物入試を見ると、教科書併用の問題集でよく見かけるような標準的な問題の出題頻度が高い。高校で使用した問題集などでよいので、テーマごとに問題演習を積んで入試に備えよう。また、グラフから内容を読み取り、それを基に解答を導き出すようなデータ考察問題がほぼ毎年出題される。これらは問題文に与えられた情報を基に、その場で考察する力も試されている。考察には、テーマに対する理解と基本的な知識がないと対応できない場合も多い。問題を演習するときには、正答を見つけるだけでなく、たずねられている内容に関して学習を補足し、内容を整理して理解を深めておくことが重要である。
計算問題に強くなろう
2024年度は血縁度の計算、2023年度は呼吸商の計算、神経の伝導・伝達の計算、2022年度はヤリイカの神経軸索での伝導速度の計算、2020年度は生態系におけるエネルギー効率の計算、2019年度は腎臓における水の再吸収に関する計算と抗体可変部の遺伝子再構成に関する計算、2017年度には酸素解離度の計算など、計算問題はほぼ毎年出題されている。標準的な問題集に載っているような典型的な計算問題は確実に得点できるように練習を積んでおこう。
論述に慣れておこう
高得点を取るためには、知識ベースの論述問題での失点を防ぐ必要がある。重要生物用語の定義や意味を説明できるように練習しておこう。字数指定はないが、解答欄に収まるように簡潔に書くよう意識して訓練しよう。
ヒトに関連するテーマは要注意
大阪医科薬科大学の生物入試は出題分野が幅広く、全分野からまんべんなく出題される。一部の単科医科大学のように、植物関連や生態系は出題されないということはない。対策をおこたらないようにしよう。しかし、傾向としては基礎医学に関係する代謝や遺伝子、ヒトがテーマとなる循環系、ホルモンなど恒常性、神経や筋収縮などのテーマの出題頻度が高い。また、動物関連、遺伝子関連ではやや難度の高い出題が多い。バランスを考えて学習を進めるようにしよう。


