神奈川工科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
物理
2024年度入試の問題分析
一般A日程入試(1月30日、1月31日、2月1日実施)は、大問6題からなるマーク式で21~23個の解答数。第1問は力学から、半円形レール上の物体の運動、糸で連結された物体系の運動、放物運動の出題であった。第2問の電磁気は、抵抗のジュール熱、直線電流による磁場とローレンツ力、一様電場内の点電荷、第3問と第4問は波動分野で、縦波、気柱共鳴、弦の振動とうなり、ヤングの実験、光の屈折、正弦波の式が出題された。第5問の力学は、斜面上の物体系の運動、円柱上の物体の運動、摩擦面上の物体の運動が出題された。第6問の電磁気は、電気量の異なる2つの点電荷による電場・電位、コンデンサー、電圧計と電流計を用いた抵抗値の測定をテーマとした出題であった。第1~4問は基本的な問題で難易度はやや易~標準。第5問、第6問は総合問題で難易度は標準。熱分野からの出題はない。問題設定が明瞭簡潔で読みやすく、高得点が期待できる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
力学の典型問題を反復練習しよう
まず、最重要分野の力学の基礎を固めること。反復練習で頻出問題の解法をマスターしよう。公式の暗記だけでなく、それが使える条件をいつも念頭に置くこと。例えば力学的エネルギーの保存則は頻繁に使うが、摩擦熱が発生する場合や非弾性衝突では力学的エネルギーが減少してしまう。運動量の保存則は系に外力が働いていなければ(あるいは外力があってもその力積が無視できれば)成立する。また運動の種類を正確に見極めること。往復運動であれば何でも単振動と思ってしまう誤解がときどき見受けられる。物体に働く力を丁寧に調べて、運動の種類(等加速度運動、単振動等)を見定めること。
よく図を描いて電磁気分野に慣れよう
電場、磁場、回路などは力学に比べるとイメージしにくいこともあり、苦手な受験生が多い。まず、電荷のまわりの電場・電位の様子、および電流がつくる磁場の様子をよく理解しよう。簡単な計算練習から始めるのもよい。数値計算や作図の練習を重ねると、だんだん電場や磁場のイメージが頭の中に描けるようになってくる。次に、電荷が電場や磁場から受ける力の法則をよく理解して、運動方程式を立てる練習に進もう。また、電場・磁場がわかれば回路の理解も深まってくる。学習の繰り返しにより、いろいろな項目の関連も見えてくる。クーロンの法則、コンデンサーの公式、キルヒホッフの法則、電磁誘導の法則などを、図とともにカードにまとめておくのも有効だ。途中がわからないと先に進みにくいので、基礎の学習時間は十分取りたい。
波動も図が決め手
波の変位を表すグラフは2種類ある。ひとつは横軸に時刻を取り、縦軸に変位を取ったもので、位置を固定する。これは特定の媒質の振動の様子を表す。もうひとつは、横軸に位置、縦軸に変位を取ったグラフで、ある特定の瞬間の波形を示す。この2種類をはっきりと分けて理解したい。グラフから波の式を書き出すことや、逆に式からグラフを描く練習もやりたい。変位を時刻と位置の関数で表す波の式は、自分で導けるようにしたい。波の干渉については、振動が同位相で重なれば強め合い、逆位相で重なれば弱め合うという仕組みを腑に落とそう。いずれの単元でも、大事な要点は理解したうえで覚えたい。