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愛知淑徳大学

愛知淑徳大学大学からのお知らせ 入試対策情報

古文

2025年度入試の問題分析

一般入試前期〔3教科型・2教科型〕2月6日の問題を分析する。

出典は『十訓抄』(鎌倉時代・説話)で、「思慮を専らにすべきこと」の序からの出題であった。本文の字数は約690字で、いわゆる昔話のような説話ではないものの、語彙(ごい)が平易で論旨はわかりやすく、親が子を甘やかすことの弊害が述べられている、という概要はつかみやすかっただろう。設問はすべて選択式で、設問数は8問、マーク数は10だった。設問の難易度は「標準」。設問の内容としては、単語の意味を問う問題が1問、語句の解釈を問う問題が2問。これらは重要古語や文法の知識で解くことができる。また、内容合致が1問出され、この説話の論旨が問われた。文法問題は1問で、助動詞の意味が問われた。主体判定が1問、本文の内容を踏まえた空欄補充が1問。これらはいずれも本文を丁寧に読むことで、前後関係から解答を決めていくタイプの問題だった。文学史が1問で、『十訓抄』と同じジャンルの作品が問われていた。

2026年度入試対策・学習アドバイス

重要古語と文法の知識が基本

古文読解の基礎は、重要古語と文法の知識である。

まず重要古語を覚えることから始めよう。いくつもの意味を持つ多義語も多い。どういう文脈でどの意味になるのか、確認しながら覚えていこう。慣用句も忘れてはならない。敬語については、本動詞・補助動詞の区別、尊敬語・謙譲語・丁寧語の別と、その訳し方に習熟し、誰から誰への敬意、という敬意の方向についても理解しておこう。次に古典文法である。文法問題では助動詞について問われることが多いが、用言や助詞についてもよく出題される。また、現代語訳の問題においても、そのポイントが文法にあることは多い。傍線部を品詞分解することができ、そこにある重要古語と文法・語法に気づくことが、解釈問題を解く鍵である。理由や心情などの説明問題においても、その本文中の該当箇所を正確に解釈することで正解に到達できる。品詞分解に従って逐語訳できる力を養おう。

読解力を養おう

「重要古語と文法は覚えたけれど、本文の内容が読み取れない」という受験生が多い。その場面、人物関係を頭に思い描き、敬語や接続助詞に留意して読み進め、主体や客体を補う練習を積むことが重要である。また、指示語の指し示す内容は、常に明らかにして読もう。それらの積み重ねによって、文章全体の内容が捉えられるようになる。

和歌が苦手だという人も多いが、〈五/七/五/七/七〉に区切ったうえで、やはり品詞分解して逐語訳していけば、おおよその意味はわかるものである。和歌は心情表現であるから、和歌が解釈できれば、本文の内容も、よりはっきりと読み取れるようになる。

幅広い知識を身につけよう

和歌修辞が問われることもある。枕詞・序詞・掛詞・縁語・折句などについて学習しておこう。

文学史については、その作品の成立時代とジャンル、作者を整理して覚えておく。有名な作品は、その背景や大まかな内容を把握しておくと、読解の助けにもなる。

問題演習をしよう

過去に出題された問題や、私立大学型の問題集などに取り組み、練習を積んでおこう。多くの文章に触れた経験の蓄積によって、実力が養われるのである。

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