文教大学大学からのお知らせ 入試対策情報
※昨年度(2025年4月入学)情報を掲載中
現代文
2024年度入試の問題分析
A日程入試の問題を分析する。2024年度は、これまでどおり大問3題が出題された。(1)が評論、(2)が小説、(3)が知識問題という形式も2023年度までと同様であった。読解問題の(1)と(2)は例年、問題文の分量が特徴である。2024年度は(1)が約5,600字、(2)は約7,600字と、2023年度より(1)が2,000字程度短くなった。ここ数年続いてきた長文化に歯止めがかかった形となり、本文を読む負担は多少軽減されたといえる。ただし、今後の傾向は予測できない。出典は(1)が「ふれる」ことをめぐる評論(伊藤亜紗『手の倫理』)、(2)は高橋三千綱の「野生」という小説であった。設問は空欄補充、傍線部内容説明などオーソドックスなものであるが、2024年度は本文全体の内容一致が出題されなかった。知識問題は例年どおり、A漢字の書き取り、B文の意味に合う表現を答える問題、C文学史という構成で、設問数はAが5問、Bが3問、Cが2問だった。Cの文学史は、作品名が示されず、経歴のみから作家の名(森鷗外)を答えさせ、坪内逍遥との論争の名称(没理想論争)を問う高度な問題であった。解答はすべてマークシート方式で、全体の難易度は標準程度である。
2025年度入試対策・学習アドバイス
長文の読み方を身につける
長い文章を正確に読むことが受験生にとって大きな課題となる。本文の論旨を把握するには、まずは全文を通読することが不可欠だ。傍線部周辺のみを読んで問題を解く方法は勧められない。評論については、慣れないうちは段落ごとに内容を確認し、適宜メモを取りながら読み進めるようにしよう。小説はしばしば主語が省略される。発言や行動が誰のものであるのか確認しながら読むとよい。また、登場人物の置かれた状況や人間関係に留意しよう。本文にない重要な情報は必ずリード文に書かれているので、絶対読み落とさないように。実践的な演習には、解説が充実した問題集や、センター試験・共通テストの過去問が有効だ。単に正解を出すだけでなく、文章の正確な理解をめざすことが大切である。こうした地道な取り組みを通じて、長文の内容を整理しながら最後まで読み通す力を身につけよう。
テーマについての学習
評論については様々な分野から出題されており、今後の傾向を予測することは難しい。何が出ても対応できるようにするためには、苦手な分野を敬遠せず、積極的に触れておくことが重要だ。読みづらいと感じる文章があれば、何度も繰り返し読むだけでなく、自分で調べて理解を進めよう。同じ筆者の別の文章を読むこと、用語集や国語便覧などを用いることも有効だ。
知識はバランスよく学習する
漢字の書き取りは毎年出題されるので、できるだけ早い時期から対策しよう。大学入試向けの漢字問題集を1冊選び、何度も繰り返すとよい。解答はマークシート方式だが、演習時は紙に書いて覚えること。また、現代文の用語集を用いてボキャブラリーのチェックをすることも忘れずに。とりわけ四字熟語は入念に確認しておこう。文学史は近現代の作家について、大体の時代、代表作品、所属グループなどをまとめる。また、時代ごとに隆盛した文学の潮流なども押さえておこう。穴埋め式の問題集があるので、本番までに繰り返し、知識の漏れがないようにすること。
