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入試対策情報

日本史

2023年度入試の問題分析

A日程入学試験(2月2日実施)を分析する。大問4題で、すべてマークセンス方式。大問1題につき25点と点数が大学から公表されている。各大問が10問からなり、総数は40問である。時代は均等に配分されており、古代・中世・近世・近代と各1題である。2023年度は、古代の史料(文化史中心)、中世の社会経済と戦国大名の分国支配、江戸時代の外交、近現代の女性史が出題された。2021年度は3問出題された戦後史は、1問に減少していたが油断せず、戦後史も出題されるつもりで学習しよう。

2024年度入試対策・学習アドバイス

正誤判定問題を解く力をつけよう

國學院大学の日本史は、正誤判定問題がかなりの比重を占めている。2023年度も総数40問中21問が正誤判定である。正誤判定問題のうち「ふさわしいものをひとつ選べ」という形式がほぼ80%を占めているため、4つの選択肢のなかから「正しいものをひとつ選ぶ力」よりも「誤っているものを3つ消していく力」が必要となる。正誤判定問題では、なかなか正文だと自信を持って選ぶのは難しい。それよりも誤っている文を消去するのが正解を導く確実なやり方である。國學院大学は歴史に強い大学であるため、受験生の多くは歴史が好きだったり、得意だったりするので高得点の争いになる。単語を覚えさえすれば点数になる大学ではなく、しっかりと歴史の因果関係や、時代概観を理解していなければ正誤判定問題には対応できない。教科書などを使用するときも、単語だけに目をとられるのではなく、文章を読みながら、時代を確認したり、因果関係の部分を読み取る訓練をしよう。また、過去問を使って練習するときには、必ず正誤判定問題に使用された文章のどこが、どう誤っていたのかを確認して知識を定着させてほしい。2023年度は1問だけ、「2つ選べ」の形式が出題された。今後も出題される可能性があるので注意しよう。

文化史は必ず出題される

毎年、大問1題程度で文化史が出題され、ほかの大問の一部にも文化史の小問が含まれることがある。2020年度は鎌倉時代の新仏教と旧仏教、2021年度は古代の文字文化のなかで、文字資料、史書や天平美術、2022年度は江戸の学問(儒学と国学)、2023年度は古代の史料から仏教や教育が出題された。文化史は全時代から出題されるので、特定の時代に偏った学習をしないよう注意しよう。また、文化史は単語の暗記になってしまうことが多いが、國學院大学は文化史も多くが正誤判定問題なので、作品を暗記するだけでは太刀打ちできない。文化と作品の組み合わせ問題なども出題される。時代背景や推移なども理解しながら文化史の学習に取り組もう。

年表や図版も意識しよう

毎年ではないが、2019年度は「1802年のある都市の木版絵図」が出され、出島だと判断してから問題を解くスタイル、2021年度は「尾張名所図会」の工場制手工業の図版が使用され、その図に関連する問題が4問出題された。2023年度は伽藍配置から飛鳥寺を選ぶ問題が出題された。学習するうえで図版を併用することは、学習効果を高めることにもなるので利用したい。例えば文化史も仏像や絵画などの写真を併用することで、その特徴を写真から判断できる。また、近現代になるとグラフを使用することで当時の事情を把握することもできる。変化のある部分を見つけ、なぜそうなったのかを考えると、その時代を深く理解でき、正誤判定問題にも対応できる力がつくだろう。