白百合女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
古文
2025年度入試の問題分析
2025年度は、「国語」は大問2題で試験時間は60分。
前期・A日程試験において、国語国文学科を受験する者は、「【三】古文」が必須であり、国語国文学科以外を受験する者は「【二】現代文」との選択問題となっている。
出典は『今昔物語集』(平安時代、説話)。2021・2022年度は連続して説話2題、2023年度は説話と作り物語、2024年度は『平家物語』(鎌倉時代、軍記物語)と井原西鶴『日本永代蔵』(江戸時代、浮世草子)の出題であった。
設問内容は、現代語訳、動作主の判定、指示語、理由説明、内容・心情説明、さらに文法問題(動詞の活用の種類、助動詞の意味・活用形・識別)・空欄補充などが出題された。
解答の形式は、設問数10、解答数はマーク10問、問2の現代語訳2問が記述であった。2024年度と比較して解答数にほぼ変化はなかった。
問題文の長さは、2023年度の『十訓抄』(説話)は約460字、『狭衣物語』(作り物語)は約600字と短いものだったが、2024年度はともに1,040字程度であり、2025年度の『今昔物語集』も925字程度と長かった。
2026年度入試対策・学習アドバイス
古文単語は形容詞が中心
古文単語の学習は300語レベルまでは必要である。2025年度の本文に見られる重要語句は、「乞(こ)ふ」「据(す)う」「わざと」「賢(かしこ)し」「つたなし」「え…ず」「許(もと)」などであった。
選択式の設問以外に、記述の現代語訳もあるので、普段から短文の現代語訳を正確に書く練習をしよう。
動詞の活用の種類と助動詞の意味と活用形
文法問題では、動詞の活用の種類や活用形も問われることがあるので、「〇行・〇活用・〇形」まで見分けることができるようにしよう。
助動詞の「り」「き」「けり」の活用形と「し」の識別も頻出である。「しむ・む」の活用も出題されたこともあるので、助動詞は接続・活用・意味をしっかりと学ぼう。空欄補充では、係り結びも重要な着目点となる。
助詞の学習もおこたらずに
接続助詞「ば・に」の意味用法や、自己の願望を表わす終助詞「ばや」なども大切。助詞は選択肢を分けるポイントになっているし、現代語訳でも問われている。
主体判定や説明問題は敬語に注目
敬語は動作の主体判定の鍵となる。敬語動詞の「おはす」「宣(のたま)ふ」「給(たま)はる」などは訳だけでなく、「誰の誰に対する動作なのか」も考える。
理由説明や内容説明では、ことわざや比喩の具体的説明など、文脈把握と総合的な読解力が要求され、記述での解答も求められるので本腰を入れた学習が必要になってくる。
現代語訳の問題は総合力
現代語訳は、記述式でも出題されている。しかも、人物を特定し、指示語「これ・かく・さ・しか」などの内容を具体的に訳すように設問文で指定されている出題もある。また、陳述の副詞「え~打消」(不可能)・「な~そ」(禁止)・「いかでか~む」(反語)、反実仮想の助動詞「まし」や敬語「仰す」「侍り」などがポイントとなる。
過去問の演習を
古文問題の設問パターンは、年度や日程によって形式や長さも多少変わるが、過去問題をできる限り遡って演習するのが有効である。
