白百合女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
※昨年度(2025年4月入学)情報を掲載中
現代文
2024年度入試の問題分析
一般選抜の前期A日程とB日程について分析する。「国語」3題のうち2題が現代文という出題形式は両日程に共通しており、試験時間もともに90分。問題文は評論やエッセイの出題が多い。2024年度は、A日程が【一】文学と交通に関する評論【二】模倣と学習をめぐる評論、B日程は【一】村上春樹の小説をめぐる評論【二】コロナ禍のような不透明な状況ですべきことについて説いたエッセイだった。少し専門的な内容を含むもの(とりわけA日程の模倣と学習をめぐる評論)もあるが、論旨が読み取りづらい文章はない。問題文の文字数はA日程が約5,100字と約3,600字、B日程は約4,100字と約5,500字。問題は漢字、空欄補充、抜き出し、傍線部説明、脱文挿入、本文全体の内容一致などオーソドックスなものである。解答は記述式とマークシート式の併用だが、漢字の読み書きはマークシート式ではなく記述式なので注意しよう。大問ごとに1問ずつ記述問題が出題される。2024年度はA日程が30字+30字と40字、B日程は40字と70字だった。2023年度はすべて40字以内の短いものだったが、2024年度は長めの記述問題が復活している。全体的な難易度は標準程度である。記述問題の対策が不十分だった受験生は苦戦したと思われる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
漢字と知識の習得
漢字問題は読み、書きともに記述式なので、正確に覚える必要がある。大学入試向けの漢字問題集を一冊選び、入試までに繰り返し解けば十分な対策になる。学習をする際には必ず紙に書く習慣を身につけよう。漢字以外の知識問題はほとんど出題されないが、評論を読むうえでの予備知識を得るため、現代文の用語集を用い、重要な用語や概念を知っておくことも勧められる。
論旨の把握
例年、設問の大半が本文の内容を問うものであり、大問1題あたり30分解答時間がある。したがって、短時間で手早く処理することよりも、時間をかけて文章を正確に理解することが求められる。本文を最後まで読まず、傍線部や空欄まで進んだ段階で問題を解き始めるやり方はやめたほうがいい。全体を通読し、論旨や論理展開を十分に把握してから解答に臨もう。一見遠回りでも、その方が確実に正答率は高まる。
問題集を用いた演習
文全体を理解するためには各箇所の関係に注意し、逆接、対比、因果、言い換えなどに気をつけながら読み進めなければならない。また、キーワードになる語をチェックする必要がある。標準的な難易度の問題集(20~70字程度の記述問題が含まれているもの)を用意し、以上のような仕方で本文を整理したうえで問題を解いてみよう。点数や解答の正誤に一喜一憂せず、解説をよく読んで自分の本文理解が正確であったか確認する。誤読をしていた場合、検討してもう一度読み、整理し直す。読解力はこの反復で向上する。
記述問題への正確な解答
問題に対応していない解答は、たとえ本文に書かれている内容でも点数をもらえない。自分の答案が聞かれていることに答えているか吟味する必要がある。可能であれば添削を受けるとよいが、自己採点する場合でも、問題と対話する姿勢を忘れないようにしよう。
なお2025年度からは大問2題(大問2は現・古の選択式)で試験時間は60分になる。詳細は大学HPで確認しよう。
