拓殖大学大学からのお知らせ 入試対策情報
現代文
2024年度入試の問題分析
ここでは全学部統一全国選抜と2月前期選抜A・B・C日程を分析する。現代文のみの出題で試験時間は60分。大問3題で、問1は漢字・慣用句・四字熟語・文学史などの基礎知識を問う15問、問2と問3で3,000~4,000字程度の評論文が出題される。2018年度B日程で小説(2,500字程度)が出たが、それ以外はオーソドックスな評論文の出題。内容は時事的な社会論、芸術論、言語論、科学論など新書や選書、新聞論説などからの出題が多いが、2024年度は全学部統一全国選抜とA日程で教育論も出た。文章の難易度は標準レベル。設問は、空欄補充、指示語説明、傍線部の意味・理由説明、脱落文補充、現代語文法、内容一致などで標準的な難易度だが、問1では、「汗牛充棟」(2021年度)、「多岐亡羊」(2022年度)、「南船北馬」(2023年度)などが出題されやや難しく、2024年度は「抜山蓋世」、「無聊を慰める」や「挙措」「唾棄」の意味などが出た。また、2022年度は「アジェンダ」、2021年度は「ヘゲモニー」などカタカナ語の意味問題もあり、総合的な語彙力が重視されている。解答はすべてマークシート式。
2025年度入試対策・学習アドバイス
漢和辞典を利用して語彙力をアップしよう
毎年、漢字や四字熟語の問題が15問以上あり、得点源になるのでまずはこの対策をしよう。2016年度には「匹夫といえども志は奪うべからず」という『論語』の一節の穴埋め問題も出されているので、漢字の読みや意味だけを丸暗記するのではなく、漢字一字一字の意味と、四字熟語や故事成語の意味とを重ねながら覚えていくような理解が必要となる。過去に出題された「旧態依然」も、四字熟語を構成する漢字一字一字の意味を考えれば理解できる。日頃、問題集で演習をしたり新聞を読んだりした時に、わからない漢字の意味を漢和辞典で調べるとよい(漢字の意味は国語辞典には記載されていない)。自分がその漢字の意味をわかっているかどうかのチェックは、その漢字を訓読みできるかどうかで判断できる。日本語評論文の重要語は、漢字2文字の漢語でつくられていることが多いので、漢字の意味理解力をアップさせることは、文章読解力の向上にもつながる。
文章を図式化してみよう
比較的長い新書や選書、新聞論説などからの出題が目立つので、共通テストやセンター試験の過去問などを利用して演習していこう。ただし、単に設問を解くだけでは読解力の向上にはつながらないので、文章全体の構造を理解することが肝要。何について(テーマ)、どのように書かれているのか(文章内容)を意識して、テーマに関わるキーワード、キーセンテンスをノートに書き出し、それらがどのように対比され、言い換えられているかを、文章の流れに沿って図式化してみよう。こうした図をつくることで、文章全体の型が明確に意識できるようになり、その型が身につけば、読解速度もアップしていく。
現代語文法や文学史も学ぼう
現代語文法も出題されることがあるので、敬語や助動詞を中心に復習しよう。文学史は、国語便覧などを活用して作家とその作品を理解する。大江健三郎、村上春樹などの現代の作家の作品も問われているので新しい時代の作家も視野に入れておこう。