愛知工業大学大学からのお知らせ 入試対策情報
物理
2024年度入試の問題分析
A方式、M方式ともに解答時間は60分である。出題範囲は物理と物理基礎の全範囲である。A方式は大問が2題の構成である。第1問は5つの設問からなる空所補充型の小問集合であり、力学(仕事と力積/単振動)・電気(ガウスの法則/コンデンサー回路/直流回路/点電荷)・波動(波の反射と定常波/ドップラー効果)・熱(気体の状態変化)から出題されている。2024年度は磁気および原子分野からの出題はなかった。第2問は力学の記述式問題である。M方式は大問6題のマークセンス式である。2024年度は力学2題(物理量の単位・2物体の分裂)、電気1題(分流器と倍率器)、磁気1題(電流が作る磁場)、波動1題(レンズ)、熱1題(気体の状態変化)であった。原子分野からの出題はなかった。A方式、M方式ともに解答時間は十分にあり、難易度は基本~標準の範囲に収まる出題となっている。適切に法則や公式を適用できれば、それほど多くの作業を必要とせず解けるようになっている。図が描かれていない問題も含まれているため、適切に設定を読み取ることが必要になる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
物理法則を正しく理解しよう
物理法則を理解することを第一の目的としよう。教科書や参考書を目で追うだけでなく、ペンを動かしながら問題演習を行うこと。具体的に問題を解くことを通して、その問題がどのようなテーマであり、どの物理法則が適用できるのかを判断できるようにしよう。問題を解く過程で、必要があれば教科書などを参照しながら公式を覚えていこう。等加速度運動の公式などは導出することができるので、体系的に理解することを心がけよう。問題演習を繰り返す過程で、テーマのつながりも探求しよう。例えば仕事とエネルギーの関係は、運動方程式とつながっている。力積と運動量の関係もまた、運動方程式とつながっている。その過程で、運動量保存則と力学的エネルギー保存則が成り立つ条件の違いを考察しよう。
基本問題演習をしっかり行う
物理法則の理解が不十分な場合、公式をまだ覚えていない場合には、まず簡単な基本問題(手近な教科書傍用問題集の基本例題など)を解いてみることから始めてみよう。解けない問題があればまず解答を読んでしまってもよい。ただしその直後に自分で解答を再現してみること。意識してしっかり解答の流れをフォローすることが大切である。物理では力学分野が必ず出題される。しかも力学分野は他の分野の土台にもなるため、その理解は特に重要である。等加速度運動、力と運動、仕事とエネルギー、力積と運動量、円運動や単振動など、全般的な理解を早い段階である程度固めておくようにしよう。一方で電磁気分野は演習量が不十分になりやすい。2024年度も幅広い分野から出題されているため、こうした分野も基本問題に触れておくことをおこたらないようにしよう。
典型問題や標準問題にも取り組む
基本問題に習熟したら、次に典型問題(標準的な難易度の問題集)に取り組むとよい。適切に設定を読み取るためには、普段から様々な問題で練習しておくことが有効だろう。数値計算から文字計算まで、正しく解答にたどりつけるように練習しよう。焦ることなく、制限時間内に解法を見つけて計算を完了できるように練習しよう。