大妻女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
生物
2024年度入試の問題分析
出題形式は、すべてマークシート式である。2023年度と同様に、2024年度では7題出題された。設問は2023年度の30問から2024年度に33問と増加し、小問は2023年度の84問から2024年度の79問と減少した。問題は、適語補充の問題や知識問題が中心である。2022年度以前は表やグラフのデータを用いた思考能力を要する実験・考察型の問題が多く見られたが、2023年度以降では、このよう問題は少なくなり、計算問題も出題されなくなったため、2023年度と比較して2024年度では、さらに全体的に問題が易しくなった。出題内容は、「生物基礎」から①細胞(体細胞分裂の観察とDNA量)、②代謝(同化と異化の全般的な知識)、③体液(恒常性の全般的な知識と体温調節および血液の全般的な知識)、④生態系(世界のバイオーム)。「生物」から⑤生体物質(タンパク質の全般的な知識)、⑥植物の環境応答(光周性と花芽形成)の出題となった。①~⑥の問題は、教科書の知識分野からの出題であり、①の体細胞分裂から細胞図を、③の血液から細胞図を、④のバイオームから気温と降水量の図解を、⑥の花芽形成から明暗周期の図解があった。すべての問題が教科書の内容から出題され、教科書の発展的な内容の問題が出題されていないため、高得点を獲得しやすかったと思われる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
新課程の教科書の基本事項を覚える
「生物」の分野は、「生物基礎」の分野に比べて教科書の章立ても多いので、高校での授業進度が遅いと感じたら、早めの対策をした方がよいだろう。そのためには教科書を中心に基本事項を体系的に理解して覚えることが重要となる。学習するときは教科書の本文だけを理解するのではなく、図表やグラフも理解することが大事である。全体的に教科書の知識分野が多く出題されているが、新課程の教科書を使った入試であるので、特に高卒生には教科書の購入を促したい。
新課程の教科書内にある問題を解く
新しい教科書は、旧課程の教科書と大きく異なる。①分野ごとに章末問題があり、その内容が確認できているかどうかの復習となり、かつ受験で頻出的なものが多い。②受験で重要な実験・観察を高校で行っていなかったとしても、二次元コードが記載されており、これをスマートフォン等で読み込むと映像を見ることができる。この二次元コードは、表や図・グラフなどのデータが記載されている頁にもあり、非常に分かりやすく入試問題にも応用できる。旧課程の高卒生は教科書の傍用問題集や参考書・資料集などを用いて基本事項の理解・確認をしながら問題集や過去問を使って学習していた。この新課程の教科書と過去問があれば根本的な要は得られる。
計算問題に注意
2024年度の旧課程では、計算問題が出題されなかったが、ミクロメーターの測定、体細胞分裂の周期、DNAやPCR法、酸素解離曲線、光-光合成曲線、呼吸商、腎臓の濃縮率や原尿量および再吸収量、神経の伝導速度および時間、生態系の標識再捕法や物質収支、集団遺伝や分子系統樹などは解けるように。計算に関する分野は、現役生・高卒生問わず苦手意識があり得点差がつきやすいため、確実に得点できるよう問題を何回も繰り返し演習して完璧な解答ができるように努力してほしい。