東京都立大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介
掲載している内容は、2020年6月時点のものです
法学部 法学科 法律学コース
刑法ゼミ
刑法を学び、その解釈について考える
自分の考える「正しい」は本当に「正しい」のか?
ゼミのテーマ
さまざまな判例をベースに法解釈の手法を学ぶ
刑法ゼミは刑法で定められている各犯罪の要件がどのように解釈されるのか、また具体的事件においては、それによってどのような問題が生じるのかなどを学んでいる。
「犯罪と刑罰を定めている法律が刑法で、この法律が重要であることは多くの人が理解していると思います。ただ刑法の記載というものは、実はとてもあっさりしていて、それぞれの犯罪がどのような場合に成立するのか、つまり犯罪の成立要件については誰もがわかるようには書かれていません」
そう話すのは、刑法ゼミを主宰する山科麻衣先生。例えば、詐欺罪を定める刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた」場合に詐欺になると定めているが、「欺いて」が一体どういう場合を指すのかは明記されていないのだという。
「法律は、何でもルールを明確に定めているというイメージを持たれがちですが、実はそうではありません。幅のある解釈の中でいかに理解されるべきかが検討されて初めて機能するものだということを、ゼミ生たちには学んでもらいたいと考えています」
また、いかなる行為が処罰されるべきなのか、どういう理屈でそう解釈されるのかをじっくり考えていく作業は、自分の考える「正しさ」が本当に「正しい」のかを再考するよい機会にもなると山科先生は説明する。
「まるで自分自身が試されているような感覚…といえばわかりやすいでしょうか。法解釈という学問には、そうしたおもしろさも潜んでいるように思います」
ゼミの特徴
人と議論し、人を説得する力を身につける
山科先生が、ゼミの学びで重視しているのは、学生たちの主体性だ。
「法律の学習の中では、様々な判例や学説を学びますが、異なる見解の中で自分が何を妥当と考えるのか、それは何故なのか、自分の頭で考えて説明できなければ本当の意味で理解できているとは言えません」
ゼミの回を追うごとに、他者の意見を汲み取りつつ、自分が調べ考えてきたことをしっかり主張できるようになっていくという。
「学生には、何よりも『人と議論し、人を説得する力』を身につけてもらいたいと考えています。この2つはどちらも、様々な利害や意見を持つ人がいる社会に出て働く上で不可欠な能力です。
研究の進め方
山科先生の主な研究テーマである「文書偽造罪」においても、「偽造」がどのような行為を指すのかはとても難しい問題で、有罪か無罪かを左右する判断が「解釈」に委ねられているのだという
発表の際に、学生たちが作成するレジュメ。刑法ゼミでは、手を動かし、口を動かして学ぶことを何よりも重視している。
首都大学東京(現・東京都立大学)社会科学研究科法曹養成専攻修了。法務博士(専門職)。専門は刑法。現在は、英米法における偽造罪の研究などに力を入れている。
その他のゼミ研究室紹介
- 人文社会学部 人文社会学科 福田研究室(表象文化論教室)
- 人文社会学部 吉田研究室(英文学)
- 法学部 法学科政治学コース佐藤ゼミ(現代日本政治)
- 経済経営学部 森ゼミ(テキストマイニング)
- 経済経営学部 荒戸ゼミ(計量経済学/応用経済学)
- 理学部 生命科学科 進化遺伝学研究室
- 理学部 電子物性研究室(電子物性実験)
- システムデザイン学部 燃焼・推進工学研究室(航空宇宙工学)
- 都市環境学部 観光科学科 地理学研究室
このページに関するお問い合わせ
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